この人は自分勝手だなあ、と驚くことがあります。
しかし、そうした人を排除してしまう前に、なぜ自分勝手なのかということを知ることで、理解できることもあります。
自分勝手な人の特徴について分類しながら分析しましょう。
1.成育環境に起因する場合
まず考えられるのが、その人がそれまでに生まれ育った環境がその人を自分勝手にしてしまったということです。
家庭の中で、甘やかされており、誰も自分勝手さを叱ってくれなかったという不幸がまず当てはまります。
しかし、たいていの人は学校や社会の中で叱られたり、嫌われたりして反省をしていくものです。
ところが、自分勝手さを修正される機会を惜しくも逃し続けてしまった、もしくは、機会はあったが本人が鈍感すぎて気が付かずに生きてきてしまった場合、自分勝手なまま大人になってしまいます。
ある程度の年齢までは、周りの人も注意をしてくれますが、完全に大人になると今度は避けられるようになるので、そうなるとなぜ避けられるのか分からないまま、自分勝手さを増長させたまま老人になってゆくのです。
これはとても悲しいことですから、もし自分勝手な人が大人になってから誰かに注意される機会があったとしたら、それは大切にしなければならない機会だといえるでしょう。
2.人の心が理解できない場合
精神が個性的であり、人の心を理解するのが難しい人がいます。
精神の偏りや、感知するのが苦手なことについて、医者に診断された場合、医者や周りの人と共に克服していける可能性があります。
しかし、残念ながら診断を受けられないまま、精神の個性的さを放置している人がいます。
こうした場合、本人は何が悪いのかわかっておらず、悪気がないのに他人からは自分勝手であると判断されてしまいます。
前項のような性格の歪みに起因している場合ならば修正の可能性がありますが、本人がいわゆる「空気が読めない」特性をもって生まれついてしまった場合、注意をされてもいまいちその注意の意味が理解できないという可能性があります。
こうした人と関わる場合は、周りの人にもある程度の寛容さが要求されます。
自分勝手な人が、何をして良くて、何はしてはいけないのかについて、明確なルールを設定しておいてあげるのが良いでしょう。
曖昧なルールだとわからないことがあるので、工夫して、その人その人の合う基準を設定してあげるのが良いです。
3.わざと振る舞っている場合
虐められたり、仲間はずれにされた経験があり、劣等感の強い人の場合、わざと自分勝手なキャラクターとなって振る舞っていることもあります。
そういう人の過去を知ると、家庭環境の中で、劣等感を感じることがあったり、学校時代に暗いエピソードがある場合があります。
友人程度の付き合いなら、面倒臭い場合距離をおいてもいいと思いますが、恋人などの近い人にこういう性質があった場合、優しく修正に導いてあげることができます。
その人が抱えている劣等感を知ったうえで、相手が自分勝手に振る舞わなくても大丈夫なのだということを示してあげることが大切です。
しかし、ここで大切なのは、何もかも要求にこたえることが良いわけではありません。
時機に応じた適切な対応をしてあげましょう。
何よりも誠実さと真摯さを感じさせてあげること、安心感を与えることで、自分勝手さをだんだん無くさせるようにしましょう。
ひとくちに自分勝手といっても、その原因も発現の仕方も様々です。
ですから、自分勝手だからと言ってすぐさま嫌うのではなく、相手の悲しみや、良いところに目を向けることで許すことに繋がります。
もっとも、家族や恋人の場合にこうした徹底的付き合いが必要であって、自分勝手な人が自分にとって重要でない人物の場合、距離感を大切にすればよいです。