思ったことをそのままストレートに表現する人、
相手を不快にするようなことでもずけずけ口にする人のことを「歯に衣着せぬ物の言い方をする人」と表現することがあります。
人との関係を悪くしかねないそのような物言いをする人にはどんな特徴があるのか、
心理面に注目して見ていくことにしましょう。
1.自分の意見や感性に自信がある
歯に衣着せぬものの言い方をする人は、ひとことで言うと自信家です。
例えば、人の作った料理を食べて感想を言うとしましょう。
食べてみて「あんまりおいしくないな」と感じても、その人が自分の舌に自信がなければ、
「もしかすると、こちらの味覚に問題があるのかもしれない」と考え、「おいしくない」という感想を口にすることは控えるでしょう。
「おいしくない」と感じた時に、ストレートにそのことを相手に伝える人は、つまり、おいしくないと感じる自分の舌に自信があります。
また、人が着ている服や髪型を面と向かって批判し、「そんなダサい服は辞めたほうがいい」というような意見を言う人は、
「自分はセンスがある」という自負があるからこそ、そんな批判ができるのでしょう。
自分の意見や感性などに自信があるというのが、歯に衣着せぬものの言い方をする人の特徴です。
2.人から嫌われることを怖れない
八方美人の人は、歯に衣着せぬものの言い方をするということはありません。
相手にとって耳の痛いこと、相手を不快にさせるようなことを口にして、相手に嫌われることを怖れるからです。
八方美人ではなくても、「こんなことを言うと、相手は傷つくかもしれない。
相手を嫌な気分にするかもしれない」ということを考えた時、多くの人はそれを避けるため、
思っていることを口にしないようにするものです。
歯に衣着せぬ物言いをする人は違います。
相手に嫌われるかもしれない、相手を怒らせるかもしれないとわかっていながら、
それを口にするのは「嫌われてもいい」と思っているからと考えていいでしょう。
誰に対してもそうしたものの言い方をする人は、「誰に嫌われてもかまわない」と思っているわけですし、
ある特定の人に対してのみ歯に衣着せぬものの言い方をする人は、その人には嫌われてもいいと思っているのです。
3.相手のことを親身になって考えている
親は子どもに対して、子どもにとって耳の痛い話をすることがめずらしくありません。
例えば、子どもの短所について厳しく指摘し、それを直させようとすることがあるでしょう。
その際、親は子どもに歯に衣着せぬものの言い方をすることがあるわけですが、そこにあるのは子どもに対する強い愛情です。
子どもにより良い人間になってもらいたいという気持ちがあるからこそ、そうした厳しい言い方になるわけです。
相手が自分の子どもではなくても、相手のことを親身になって考えた時、歯に衣着せぬものの言い方になることが、人間にはあります。
つまり、相手のことを心底心配したり、親身になって考えているというのも、
歯に衣着せぬ人の心理的特徴の一つということができるでしょう。
4.そんな自分が好き
歯に衣着せぬものの言い方をする人は、しばしば周囲の人から敬遠されます。
できれば、そんなものの言い方をしない方が、周囲とうまくやっていけるに違いありません。
それにも関わらず、人が嫌な気持ちになるようなことを口にするのはなぜか。
それは「そういう言い方をする自分が好き」だからです。
ずばずばものを言えるのは、自分が竹を割ったようなさっぱりした性格だからだと、
歯に衣着せぬ物言いをする人は考えています。
つまり、相手にとって耳の痛いことをはっきり言えるというのは、自分にとって長所だと信じて疑わないのです。
そんな自分が好きだからこそ、平気で人を不快にさせるようなことを言うのが、
歯に衣着せぬ人の特徴ということになるでしょう。
人を傷つけたり、嫌な気持ちにさせたりすることが少なくないにも関わらず、
歯に衣着せぬものの言い方をする人にはどんな特徴があるのか紹介しました。
そういう人が身近にいるという方は、その人の心理を知るための参考になさってください。