誰でも人に文句を言う必要があることはあります。
しかし、中にはどんな時でもしょっちゅう文句ばかり言う人もいます。
今回は文句ばかり言う人の心理的な特徴をご紹介します。
1.わがままでこらえ性がない
ふつうの人は、文句を言いたいと感じることがあっても、それをすぐに口にすることはありません。
「文句を言うのは、あまりほめられたことではない」という認識があるため、
一度自分の中で「言うべきかどうか」を検討し、「言うべき」と判断してから文句を言います。
自分の中で検討して、いわば「ふるい」にかけますので、結果として「しょっちゅう文句を言う」ということにはならないのです。
しかし、文句ばかり言う人は、この「ふるいにかける」という過程がありません。
なんでも自分の思い通りにならないと気がすまないというわがままな性格なため、
不満を感じやすい上に、心に浮かんだ不満をすぐに口にしてしまいます。
そのために、しょっちゅう文句ばかり言うということになるわけです。
要約すると、「わがままでこらえ性がない」というのが、文句ばかり言う人の心理的特徴ということになるでしょう。
2.損得ばかり考えている
文句を言う人は、自分にとって少しでも不利益になること、不利益になりそうなことに対して不満を持っているわけです。
そこには「とにかく損はしたくない。できれば得をしたい。自分以外の人が自分よりも得をすることは許せない」という意識があります。
どんなに些細なことに関しても、自分の損を回避したいという意識を強く持っているために、その危険性を察知すると、強く主張して、損を免れようとします。
いわゆる「クレーマー」と呼ばれる人は、このタイプです。
少しでも自分にとって損と感じられることがあると、針小棒大にその不利益についてアピールし、相手を糾弾し、損を回避しようとするわけです。
クレーマーというレベルにまでいかないにしても、文句ばかり言う人には、こうした心理的特徴があると考えていいでしょう。
3.劣等感の裏返し
文句ばかり言う人には、「自分より立場の弱い人に、特に強く出る」という特徴もあります。
中には、自分より上の立場の人に対しても平気で文句を言う人もいますが、
その場合でも、精神的には自分の方がその人より上に立っているという意識を持っているのです。
自分より弱い立場の人に文句ばかり言うというのは、劣等感の裏返しです。
自分に劣等感を抱いていて、実は自信がないからこそ、弱い人に文句を言うことで自分の優位性を自己確認するわけです。
クレーマーがこの典型例です。
そこには一種のストレス解消の意識が働いています。
劣った自分のストレスのはけ口として、弱い人に不満をつけるのが、文句ばかり言う人の特徴と言うことができるでしょう。
4.自分が文句を言っているとは思っていない
文句ばかり言う人に、「あなたはどうして文句ばかり言うのか?」と尋ねたら、「自分は文句なんて言っていない」という答えが返ってくることでしょう。
実は、文句ばかり言う人には、その自覚がないことが大変に多いのです。
その人は、こう思っています。
「私は人間としての当然の権利の主張をしているだけ。
私がしてるのは正当な権利のアピールなのであって、決して文句を言っているわけではない」と。
最初に紹介した項目で、ふつうの人は「文句を言うのはほめられたことではない」という意識をもっていると説明しました。
文句ばかり言う人は、自分が口にしていること文句ではないと思っているために、そういう意識を持つことがありません。
そのため、反省したり、改めたりすることがないのです。
「当然の権利の主張」という認識である以上、堂々とそれを主張し続けることになります。
その結果、周りから見ると「また文句を言っている」ということになるわけです。
今回は文句ばかり言う人の心理的な特徴を4種類取り上げて、説明しました。
どこにでもいる文句の多い人について、その精神状態や心理、思考の傾向を知る上での参考になさってください。