お酒を飲む人の中で、どうしても一定の割合で見受けられるのが「悪酔いする人」です。
楽しく飲んでいる人からすれば大迷惑ですし、飲めない人からすれば、ほとんど「まともな人間ではない」と捉えられてしまうこともあります。
こうした人は、普段の態度からはなかなか見抜けません。
普段感情的だからといって飲んだ際に感情的になるとは限りませんし、お酒の量が多い人が必ず悪酔いするかといえば、そうでもないですね。
【特徴・方法】
1.酒量が多い
酒癖が悪い人であっても、それほどの量を飲まなければ悪酔いもしません。
一般に適量とされる「20g/日」程度の飲酒であれば、酔っ払ってしまうことはまずありません。
具体的にはビール500ml(5%)であれば、1缶12.5g、2缶で25gほどのアルコール量となり、このような範囲でとどめていれば、楽しい良い方にせよそうでないものにせよ、激しく酩酊することはありません。
焼酎で言うなら100mlで20-25gのアルコールですね。
つまり、こちらを半分に割ったものを1合(180ml)飲むぐらいなら、下戸でないほとんどの人は酔いに問題が出ないのです。
ただいつもこれでは、ちょっと物足りないと思う人も、やはりいるでしょうね。
50-60gを超える飲酒をすると、悪酔いの危険性が顔を出してきます。
例えば500mlの缶ビールといえども、4缶目に達している人は、そこそこ「回っている」はず。
悪酔いと酒量はわかりやすい相関関係を持ちませんが、多少の参考にはなります。
2.普段から悩みやイライラが多い
酔うと人は「抑制」が取れ、普段は言葉や態度に出さないことを、表に出す傾向となってきます。
わかり良いところでは気に入らない同僚の文句をあからさまに言う、悩み事を吐くにしてもずいぶんと大げさになり、涙を流すなどです。
普段、悩みやイライラすることを一切抱えていない人などほぼいませんね。
しかし、とりわけその傾向の強い人では「怒り」「嘆き」「悲しみ」などを表す形で、悪酔いしやすくなります。
3.自分の適量が分かっていない
とても若い人や、普段お酒をあまり飲まない人が突然悪酔いしてしまうときなど、このことが関連しています。
ある程度飲みなれている人は「ほろ酔い程度」「楽しく酔っぱらう程度」「今日はとことん飲む」など、大体3段階ぐらいに分けて飲み方を自己管理しています。
お酒をあまり飲まないほとんど飲まない等も好ましいことですが、悪酔いを引き起こしやすい一面も持っています。
本人というよりは周囲が気遣ってあげることが大事ですね。
一人のみの場合では、そうも行きませんが…。
4.様々なお酒を立て続けに飲む
いわゆる「チャンポン」が悪酔いしやすいことは、広く知られています。
例えば居酒屋で「ずっと焼酎を飲んでいる」よりも「ビール→ハイボール→焼酎→泡盛→また焼酎」などとやっていると、総アルコール量が同じでも後者は悪酔いしやすくなります。
「自分の適量」とも関連することですが、お酒の種類や度数が目まぐるしく変わると、飲み方が上手い人でも「呑まれ」やすくなります。
5.お腹が空いている、適切におつまみを食べない
空腹状態でお酒を飲むと、胃にアルコールばかりが入ってしまい、酔いが回りやすくなります。
アルコールを飲むと食欲が湧いてくる流れも事実で「シメのラーメン」などがその代表格ですが、飲む前の段階で、多少はお腹に何か入っていることも大事です。
おつまみも、単なる嗜好品ではありません。
アルコールの分解に必要なエネルギーを供給してくれる大事な栄養源でもあります。
居酒屋やバー、宴会等ではつまみに困ることはあまりありませんが、自室で酩酊して倒れ、周囲に迷惑をかけてしまう人などでは、長時間、お酒のほか何も摂取していないことなどもあります。
6.肝機能など体が悪い
お酒は体に高い負担をかけます。
フラフラヨロヨロしてしまう、布団以外のところで寝てしまうなど「お酒の上のこと」としては不思議がられませんが、よくよく考えれば異常な状態ですね。
シラフでそんな人がいれば救急車を呼ばれてしまいます。
酔うことは「脳の問題」でもありますが、どれだけのアルコールが脳に影響を与えるかには、体の状態も大きく関わっているのは言うまでもありません。
肝機能などが低下していれば本人が思う以上に酔いが回りやすくなり、寝たり倒れたりする方向に行くだけでなく、暴れるなど悪酔いにも繋がります。
もともとお酒に強く、長年上手に飲んできた人でも、気が付かないうちに体が悪くなってきていて、悪酔いで醜態を晒すことがありえます。
7.寝てしまうまで、潰れるまで飲むクセがある
晩酌をする人では「起きていられない」ところまで飲み、そのまま眠る習慣がついている人もいます。
「起きていられない」とは、脳が相当な状態にあるのは言うまでもありません。
また飲み会などでも、自力ではなかなか身の回りのことができないくらい、すなわち「潰れる」まで飲むクセがついている人も。
誰か頼れる人がいる席でばかり飲んでいると、こうなりがちです。
寝たり、起き上がれなくなるぐらいならまだしも、周囲の人に暴言を吐いたり、迷惑な行動をとったりしだすと厄介で、飲み続けた結果、そうなるかどうかは紙一重です。
最終的には本人も大変な困難と向き合うことになります。
8.生まれ持って「病的酩酊」の性質がある
酔って、常識の範囲でテンションが上ったり、多少気が大きくなったりすることは「単純酩酊」と呼ばれる部類であり、そう問題にはされません。
次に、気が大きくなるあまり、嫌いな人にあからさまな暴言をぶつけたり、楽しく歌うとか踊うとかするにしてもハメを外しすぎたりなど、度が過ぎた状態を「複雑酩酊」と言います。
複雑酩酊は厄介ですが、周りの人から見て、酔っている人の気分が多少は理解できるものです。
要は「オーバーな言動行動」になっているだけとも言えます。
「病的酩酊」はこれら2つとは質が違います。
酔いから目が醒めたあと「え?私はそんなことを言ったんですか?」と他人事のように言う人もいますね。
記憶がまるで飛んでしまっているのです。
「普段からのイライラが爆発する」とか「悲しんでいたことが、お酒によって何倍にも悲しく感じられる」とか、そういった状態(複雑酩酊)とは違うのです。
「本人にも意味の分からないことをする」のが病的酩酊で良く見られる姿で、完全に記憶が無いこと(ブラックアウト)も頻繁に起きます。
病的酩酊は、毎日お酒をたくさん飲んだから起きるとか、ある日に多量のお酒を飲んだからなるとかいうものではありません。
生まれ持ったものであり、節酒を試みるか、どうしてもコントロールが無理ならきっちりお酒を断たないと解決できません。
「酔っぱらい」はそれほど自在に動き回ることができず、周囲からもすぐ気づかれますから、警察官などは案外軽視することがあります。
しかし時には事故事件など深刻な事態をも招きます。
お酒についてあまり慣れていないと、悪酔い=飲み過ぎ酒量が多い、と単純に考えがちです。
しかし、そう簡単な話でもありません。
悪酔いにも様々な特徴があり、今回挙げた項目の全てに当てはまる人は、おそらくほぼいません。
主要因は人それぞれな部分があります。
飲み会等なら悪酔いのクセがある人は早期に見抜いて多少距離を置くようにし、必要に応じて水を摂るよう促すなど、酔い過ぎを防止しましょう。
二次会三次会では別行動にするなど思い切った手段に出ることも時には必要です。
飲み会で騒がれるぐらいならともかく、同棲したり結婚したりした相手が悪酔いしやすいと「この人はお酒さえ飲まなければいい人なのに」という、聞き飽きたような思いに襲われることにも。
特徴をつかんでおけば早い段階で見抜きが可能です。
残念ながら見抜けないまま親しくなり、我慢の限度を過ぎたと思ったら離れることも自分を守ることになります。
お酒は楽しく飲めば楽しいものです。
年に何度か、酔って泣き上戸になったとしても、そんなに大きな問題ではありません。
しかし、一定程度を超えてしまう人はもはや危険人物です。
「少し危ないかな?」と思う人に関しては、自分自身も含め、特徴をチェックして上手なつきあいをしましょう。