喉をつまらせるようにして、声を押し殺しながら泣くことを「むせび泣く」と表現します。
ドラマや映画のシーンにはよく登場する泣き方ですが、実際の生活の中では、
そう多くは目にしない泣き方と言っていいでしょうそれだけにむせび泣いている人を見ると、その心理を知りたくなるものです。
ここでは、むせび泣く人の心理的特徴を見ていくことにしましょう。
1.悲しみなどの感情が極度に高まっている
泣き方にもいろいろあります。
しくしく泣く人、めそめそ泣く人、静かに涙を流す人、
それらと比べて、むせび泣く人はかなり強い感情を抱いていると考えていいでしょう。
悲しみやくやしさ、辛さなどの負の感情が、ふつうの程度を越して激した場合に、声を詰まらせるようにして泣くということがあります。
例えば、お葬式で遺族が声を出して泣きじゃくっているのを見れば、
「この人の悲しみはそれほど大きなものなのだな」ということがわかります。
同じようにお葬式でむせび泣く人がいたなら、その人の悲しみの感情は、泣きわめく人に負けないくらい強いと考えていいでしょう。
人は、負の感情がきわめて強くなった時に、むせび泣くのです。
つまり、むせび泣く人には、ふつうの泣き方では足りないくらい、
悲しみなどの感情が極度に高まっているという特徴があるということになるでしょう。
2.人目を気にしている
そのように、むせび泣く人は、大声を上げて泣きわめく人に負けないくらい、感情が激しています。
では、どうして、大声で泣くことをしないのか。
この2つのタイプの泣き方の差はどこから生じるのか。
それは「羞恥心の強弱」です。
よく、「人目もはばからずに大声を出して泣きわめいた」という表現をすることがあるでしょう。
大声で泣きわめく人は、人目があるにも関わらず、その人目を気にしていないのです。
それに対して、むせび泣く人は、人目を気にしています。
先ほどの例で言うと、お葬式でたくさんの参列者がいる前で、
声を出して大泣きするのは恥ずかしいという意識を持っていると考えていいでしょう。
恥ずかしいと思っているから、泣きわめくことは避け、声を押し殺すようにした結果、むせび泣きになったわけです。
人目を気にして、声を上げまいとしているというのが、むせび泣きをする人の特徴の一つです。
3.自制心が強い
そのように人目を気にして、声を出して泣きわめくことを避けようと思っても、
あまりの感情の強さに自ら負けてしまうということもあるでしょう。
泣くまいと思ってもどうしても自分の感情をコントロールできず、
結果として大声で泣きわめいてしまうということも少なくありません。
むせび泣く人は違います。
湧き上がる自分の感情と必死に闘い、なんとかそれをコントロールできているからこそ、
声を押し殺すような泣き方になっていると考えていいでしょう。
人一倍強い悲しみなどの感情を抱いていながら、なんとかそれをこらえることができているというのが、むせび泣きをする人です。
つまり、むせび泣く人には、自制心が強いという心理的特徴があるということになるでしょう。
4.こらえればこらえるほど感情が強まっている
人間は、泣くことによって感情を解放することができるものです。
人目もはばからず大泣きすると、それで気分がすっきりするということがあるでしょう。
大泣きしたことで気持ちが少しは落ち着くわけです。
むせび泣く人の場合はそうではありません。
大泣きしたいほど大きな感情を抱いていながら、必死になってそれを自制しようとするため、
悲しみなどの感情が解放されることはありません。
こらえればこらえるほど、悲しみなどの感情が強まってしまうというのが人間の心理です。
むせび泣く人は、むせび泣きながら、ますます悲しみなどの感情を高まらせているのです。
むせび泣きをする人にはどんな特徴があるのか、ここでは主に心理面に注目して、4つの特徴を紹介しました。
むせび泣く人はどんな心理状態にあるのかを知るための参考になさってください。