嘘をついたことが一度もない、という人は稀でしょう。
人間は時として嘘をつくことがあるものです。
しかし、中にはしょっちゅう嘘をつく人、つかなくてもいい嘘を日常的につく人もいます。
なぜ、虚言癖になってしまう人がいるのか。
その原因についてご紹介します。
1.他者へのコンプレックス
虚言癖に陥る原因として多いのが、コンプレックスです。
自分の容姿、能力、キャリアに自信がない、あるいは生まれ育ちに劣等感を抱いているという人が、
そのコンプレックスの裏返しで、自分を大きく見せたり、強く見せたりするために、必要のない嘘をついてしまいます。
この必要のない嘘は周囲の人がそう感じるだけであって、
本人にとっては自分のアイデンティティを保つために必要な嘘です。
中には、過去に経験したいじめなどのトラウマが関係してくる場合もあります。
そのトラウマから逃れるために、つい、自分を作ってしまうというケース。
自分の中に虚構の自分がいて、それを周囲にアピールすることによって、
実像にするという心理が、無意識のうちに働いていると考えていいでしょう。
2.プライドが高く、人より優位でありたいという心理
コンプレックスを持ってはいなくても、虚言癖の人はたくさんいます。
その原因は、プライドの高さ。
「特にコンプレックスを持っていなければ、嘘をついてまで自分を虚飾する必要はないのでは」と考えるのが普通の人です。
しかし、虚言癖の人の中には、「常に自分が上に立っていないと気がすまない」という性格の人が多いのです。
人と同じ位置にいるのが不満で、少しでも優位にいたいという心理。
一種の負けず嫌いということになるでしょうが、自分が上に立つためには、
嘘をつくことをいとわないというところが、特殊な心理と言っていいでしょう。
3.寂しがりな「かまってほしい」性格
孤独を感じやすく、寂しがりなために虚言癖になってしまう人も少なくありません。
人と一緒にいても精神的な孤独感を抱くことは、多くの人が経験しているでしょう。
しかし、その頻度が極めて高く、しょっちゅう孤独を強く感じて、「誰かにかまってほしい」と思う人もいるのです。
別に嘘をつかなくても、人からかまってもらうことはできますが、目立つ嘘をつくのは、かまってもらうための、手っ取り早い方法です。
こういう人は、一度嘘をついたことでかまってもらった経験があり、それが癖になって行くというケースが多いと思われます。
4.嘘をついて良い思いをしたことがある
それと似ていますが、過去に嘘をついたことで良い思いをして、それに味を占めたことが原因というケースもあります。
別に孤独を感じやすいわけでもなく、人並み以上のかまってちゃんでもないのに、
「人から注目を浴びた経験」が、嘘をつく習慣につながってしまったわけです。
いわば、「ステージ上でスポットライトを浴びた記憶の甘美さ」が、虚を癖にしてしまったと考えていいでしょう。
5.自己防衛本能の強い臆病な性格
自己正当化のために嘘をつくということがあります。
何かミスをしたりトラブルを起こしてしまったときに、「自分は悪くない」という主張をするためにつく嘘です。
こうした自己防衛本能は誰にもある者ですが、それが強すぎるために虚言癖になってしまうこともあります。
ふつうの人なら「ごめんなさい」ですませるような小さなミスでも、
こうした人は嘘をついて責任転嫁をし、「自分は悪くない」という結論にもっていこうとします。
なぜ、そんなことをするのか。
その裏には、傷つくことを極度に恐れる臆病な性格が隠されています。
つまり、この性格こそが、虚言癖の原因というわけです。
今回は虚言癖になる原因について、ここでは5つのケースを見てきました。
冒頭でも触れましたが、人間、嘘をつくことはあるもの。
しかし、それが癖になってしまうと、あらゆる人間関係に悪影響を及ぼします。
虚言癖のある人の心理を探ると同時に、そうした人を鏡にして自分を見つめてみることも、時には必要かもしれません。