あるきっかけにより、どうしても同じような状況に陥った時、嫌な思い出がフラッシュバックしてしまいます。
これがトラウマです。
どうしても、気になってしまい忘れようと思っても忘れることはできず、一定期間、頭の中から消えたかなと思っても、またぶり返してしまいます。
そんな厄介なトラウマについて、この記事により少しでも負担が軽減できればと思います。
1.トラウマというものを考える
トラウマは、思い出してしまうと緊張により、嫌な汗が出たり、具合が悪くなったり、ひどいと吐き気まで感じるほどの厄介なものです。
このトラウマを頭の隅々から消し去ってしまいましょう。
なんてことができるのであれば、魔法使いか何かです。
結論を申し上げますと、トラウマを消してしまうことは不可能と考えています。
「じゃあ、この記事の意味ないのでは」と思われるかもしれませんが、この記事は「トラウマの克服法」です。
排除するのではなく克服します。
仮に、1つのトラウマが発生して、それを魔法のように消し去ることができたとします。
しかし、トラウマというものは、人によっては1つや2つではありません。
それに、新たに発生するものでもあります。
これを1つ1つ消していくのは効率的ではありません。
トラウマに対する考え方を変えて、それをトラウマではないものに変えるようなテクニックが必要です。
そして、この手法を身に付け始めると、新たなトラウマが生まれにくいという利点も発生してきます。
2.トラウマの捉え方を変える
「トラウマ=悪」ととらえている人は多いのではないでしょうか。
一般的に、トラウマは「嫌な思い出」とでもいうべきものですので、このように感じても仕方ありません。
しかし、思い出の大きな枠のカテゴリーの中には、「良い思い出」というものもあります。
良い思い出をトラウマという人は、聞いたことがありませんが、同じ思い出ということで、仲間であることには違いありません。
ということは「良い思い出」までは無理でしょうが、「思い出」「記憶」くらいのレベルには変化させることが可能です。
3.トラウマを克服する
まず、その時の状況を思い出してください。
その時の状況を思い浮かべ、何が起きたのか思い出します。
一旦ここでストップです。
その出来事について、1つの方向からしか見ていませんか?例えば、口論がきっかけでそれがトラウマとなり、話すという行為が減ってしまった、または人と話すことができなくなった人がいたとします。
おそらく思い出したばかりの状況では、その時の情景、自分の心情に感情移入して「自分が正しい」と思い込んではいませんか?これを第三者的に見てください。
一番いいのは紙にその時のセリフを書き出してください。
あなたが言い過ぎていたりする部分はありませんか。
その時の相手はどういう状況で口論となっていたのでしょうか。
このように、トラウマとなっている出来事を目で確認できるように持っていき、第三者的な目線で客観的に観測してください。
これによりトラウマという嫌な出来事を納得して受け入れる作業を行います。
この作業を嫌な出来事が起こった時に、繰り返してみてください。
うまく行けばトラウマとなる前に、思い出くらいのレベルで頭に残すことができるようになってきます。
トラウマはあなたの生きてきた思い出(記憶)の一部です。
いい思い出も、トラウマも全てが合わさって、あなたの思い出となり、今のあなたを作り上げています。
「トラウマ」と決めつけて、その思い出を嫌なものとして片づけている限りは、一生嫌な思い出として残ってしまいます。
この「トラウマ=悪」という考え方を修正して、思い出として付き合ってやってください。