大きな病気をして、長い間その病気と闘いながら生活をしている人が少なくありません。
なんとか治りたいという気持ちで、病気と闘っている人にはどんな特徴があるのか、
ここでは主にその心理面に注目して、特徴を見ていくことにしましょう。
1.人に対して感謝の気持ちを持つようになる
長く病気を闘っている人は、そうでない人よりもずっと、人に対して感謝するようになります。
入院している場合は、当然、担当のお医者さんや看護師さんたちの世話になります。
特に看護師さんたちは、日常的な生活のサポートもしてもらうわけですから、
より密接な関係をもつようになるでしょう。
自分の病気を治してくれようとしているお医者さん、一番近くにいて、
サポートしてくれている看護師さんに対して、「ありがとう」という気持ちを持つようになるのは、
人間として当然の心理と言っていいでしょう。
また、家族もサポートしてくれますし、特に退院して自宅療養ということになれば、
家族が看護師さんの役割を演じてもくれるでしょう。
同じように、家族にも感謝の気持ちを持つようになるわけです。
健康な時には感じないようなささいな親切やサポートにも、深い感謝の念を抱くようになるのが、闘病生活を送る人の特徴ということになるでしょう。
2.人生を振り返る
大病をして、長い闘病生活を送る人の多くは、自分のこれまでの人生を振り返ります。
ベッドで横たわっている時間が長いため、さまざまなことを考えることになるわけですが、
その中の大きなテーマが「自分の人生」です。
健康な時、忙しく立ち働いている時には、なかなか自分の半生を振り返ってみるということはしません。
しかし、大病をすると、自分の人生を客観的に見る目と、振り返るための時間的な余裕が生まれるのです。
そして、これまでどんな人生を送ってきたかを客観的に見つめなおすわけですが、
多くの場合「悪くない人生だった」と結論づけます。
つまり、人生を振り返り、これまでの半生を肯定的に捉えるというのが、
闘病生活を送る人の特徴です。
3.「生きたい」という気持ちが強くなる
健康でいるときは、人は改めて自分が生きていることを認識しません。
それは当たり前のことだからです。
大病をするとちがってきます。
大きな病気をすれば、死の可能性を考えることになりますから、
「自分はいま生きている」とう認識を、あらためてするようになります。
その上で、「生きたい」という気持ちを強く持ちます。
健康であれば、ほとんど感じない生への欲求が生まれ、高まるのです。
つまり、「生」を認識し、「生」に強く執着するようになるのが、
闘病生活を送る人の心理的特徴と言っていいでしょう。
4.一日を大切にする
何の病気もしていなくて、忙しく生活している人にとって、一日はなんとなく過ぎて行くものでしょう。
「今日一日を大切に生きよう」というような意識を持って朝を迎えるというケースは、少ないに違いありません。
闘病生活を送っている人は違います。
大病を患っている人にとっては、一日が持つ意味がふつうの人よりもずっと大きいのです。
今日一日で少しでもよい状態になりたいと思いますし、
一日でも長く生きたいと思っている人には、その一日が大変に重要です。
朝起きると、「今日を大切に生きよう」と思うのが、闘病生活を送っている人の特徴です。
5.労働意欲が強くなる
例えば、仕事が嫌で「辞めたい」と思っている人が、大病をするということもあります。
入院生活が始まれば、仕事をしないですみます。
辞めたいと思っていた仕事から離れることができるわけですから、
最初のうちは「よかった」と感じるかもしれません。
しかし、闘病生活が続くうちに、「仕事がしたい」と思うようになるものです。
仕事から長く離れることによって、仕事ができるということのすばらしさに気づき、
労働意欲が強くなるのが、闘病生活を送る人の特徴の一つということになるでしょう。
闘病生活を送る人の心理的特徴を紹介しました。
もし、身近に闘病生活を送っている人がいるなら、
その人の気持ちを知るための参考になさってください。