人間は心理状態が顔の向きに表れることが少なくありません。
つまり、上を向く人と正面を向く人、横を向く人、下を向く人では、
それぞれちがう心理をもっていることがよくあります。
ここでは下を向く人に注目し、どんな特徴があるのか見ていくことにしましょう。
1.悩みを抱えている
「うつむいている人の心理」と聞いて、多くの人がイメージするのは、
「何かの悩みを抱えている」ということではないでしょうか。
そのイメージ通り、うつむいている人、下を向いている人には何かの悩みや不安、
心配事があるケースが少なくありません。
例えば、借金をしていて、明日が約束の返済日なのに返済のめどがまったく立っていないというような場合、
人は無意識のうちに下を向いてしまうことが多いのです。
もう打つ手がなく、どうすることもできない状態で、その借金問題が頭の中を占領していると、
まともに前を向けなくなってしまうと考えていいでしょう。
健康上の不安や心配があったり、人間関係や仕事で悩んでいるケースでも、
人はどうしてもうつむきがちになってしまうものです。
2.何かの考え事をしている
特に何か悩み事があるというわけでなくても、人間は考え事をする時に下を向くことが少なくありません。
正面を向いていると、どうしてもさまざまな視覚情報が入ってくるでしょう。
人間は視覚情報に大変敏感なものですから、目に入ったものに意識が移ってしまうという傾向があります。
何か考え事をする場合、正面を向いていると、よけいな情報によって考え事が中断してしまうことがあります。
例えば、仕事で何かのプランを考えなくてはならないとしましょう。
電車の中でそれを考える場合、正面を向いていると、他の人の姿が目に入ってきます。
電車内にある広告に意識が向いてしまうということもあるでしょう。
そうした情報は仕事のプランを考える上でじゃまになってしまうため、
無意識のうちに下を向き、よけいな視覚情報を遮断して、意識を自分の中の考察に集中しようとするわけです。
つまり、考え事をする場合、考えるべきテーマに意識を集中させるために下を向くということが、
人間にはよくあります。
3.羞恥心を抱いている
下を向いている人には、「恥ずかしさを感じている」という心理的特徴もあります。
よく、教室で先生からほめられた生徒が、クラスメイトの視線を浴びて、
恥ずかしさからうつむいてしまうということがあるでしょう。
会社の朝礼で、何か表彰を受けた社員が、
同僚たちの前で恥ずかしそうにうつむくということもあります。
あるいは、ひそかに思いを寄せている人と向き合うと、
相手と視線を合わせていることができず、うつむくこともあるでしょう。
人間は恥ずかしさを感じると、まともに正面を見ていることができなくなり、
思わず下を向いてしまうということが少なくありません。
羞恥心を抱くと、人はしばしば下を向くものです。
4緊張している
例えば、就活の面接に臨む人が控室にいる時、下を向いているということがよくあります。
考え事をしているケースもありますが、それとは別に、強い緊張を感じているため、
正面を向いていられなくなっているというケースもあります。
試合前に選手が無意識にうつむきかげんになることも少なくありません。
胸がどきどきしていたたまれないような心理状態になると、人はうつむきがちになる傾向があります。
つまり、下を向く人には、「小さくない緊張を感じている」というという特徴があるということができるでしょう。
ここでは、下を向く人について、どんな特徴があるのか、どうして下を向いているのかを紹介しました。
身近な人が下を向いているのを見たら、どんな心理からそうしているのかを考えてみてはいかがでしょうか。
参考になさってください。