友だちや恋人がいないわけでもないのに、人といっしょにいるよりは、一人でいることを好む人がいます。
でも、まわりから「付き合いが悪い」「よそよそしい」といった批判を受けることはまれです。
一人になりたい人は、そういう自分の傾向が人にさとられないよう、かなり用心深く行動するからです。
1.自己中とは実はまるで正反対の性格
一人になりたい人は「協調性がない」と思われがちですが、実はそうではありません。
人といてだれよりも気を遣うタイプ、相手の身になって考えることができる人ほど、一人になりたい気持ちが強いのです。
つまり、気遣いがあり感受性が強いために、人といるとあれやこれやと考えすぎて、結果疲れてしまうんですね。
ですから、いわゆる「自己中」と呼ばれるタイプの人たちとは真逆です。
自己中な人はまさに傍若無人ですから、始終みんなと過ごしていてもまったく平気です。
だれといようが、自分のことしか頭にないので、わざわざ一人になる必要がないんですね。
「一人になりたい」とはつまり「他人といるのがつらい」ということと同じです。
なぜつらいのかと言えば、人の心の痛みに敏感で、それがストレスになってしまうからなんですね。
2.一人になることで本当の自分になれる
一人になりたい心理を持つ人は、人といる時「いまの自分は本当の自分ではない」と感じています。
相手を気遣う思いが強いため、自分の本来の姿を曲げてでも相手に合わせる傾向があるからです。
相手が望む自分であろうとするあまり、素の自分を隠すことがコミュニケーションでの常套手段になっています。
もちろん、だれだってある程度は素の自分を隠しますし、社会的な役割を演じることもありますよね。
でも、一人になりたい人というのは、例えば親兄弟や親友、恋人の前ですら、本来の自分を偽ってしまう傾向があるんです。
これでは当然、リラックスした人間関係は望めません。
人といっしょに過ごす時間が長くなればなるほど、だんだん息苦しくもなってきます。
そして、自分の部屋に帰って、一人きりになって初めて、ほっと一息つけるということになるわけです。
まわりにだれもいなくなって、ようやく本来の自分に戻れるんですね。
3.決して孤独を好むわけではない
一人になりたい人は、孤独を求めているのでしょうか?それは違います。
彼らはむしろ孤独が嫌いです。
人一倍さびしがりやでもあります。
「一人になりたい人」が身の回りにいるのは、彼らが他人とのきずなを絶ってはいないからです。
他人といっしょに過ごすからこそ「一人になりたい」と切実に感じるわけですが、だからと言って人づき合いをやめるとか、恋人と別れて生涯独身で過ごすとかいった選択は、彼らの頭には微塵もありません。
もともと感受性が強く、気遣いができる性格ですから、できれば人のためになりたい、役に立ちたいとさえ考えています。
コミュニティから遠く離れて、孤立無援で生きることなど彼らの望むところではありません。
それが証拠に、彼らはようやく一人になれた自分の部屋で、夜な夜なSNSで見知らぬだれかとコミュニケーションを楽しんだり、ライブ動画にコメントを書き込んで反応を楽しんだりしています。
矛盾しているように見えますが、一人になれたまさにその瞬間から、ネットを通じた人とのコミュニケーションに嬉々として参加しているんです。
でもこれはまったく矛盾してはいません。
一人になりたい人は、本当は他人のことが一番気になる人だからです。
気になるからこそ距離を置きたいと思い、でも気になるのでまた近寄ってくる。
そして、コミュニティから去るなどという選択肢は、彼らにとって一番無縁の発想ということにもなります。
4.一人になりたい人は親友にすべき人
友だちにするなら、いや親友にするなら「一人になりたい人」はまさにうってつけです。
彼らはなれなれしいところがなく、長く付き合っても図々しく他人の心に土足で踏み込むようなことは絶対にしません。
べったりの関係を迫って、それがためにケンカして仲たがいしてしまうという心配もありません。
ほどよい距離を保ちながら、それでいて決して友だちのことを忘れず、離れ離れになることもないのです。
気遣いの人ですから、本当に困った時には、親身になって相談に乗ってくれるでしょう。
感受性が強く、相手の身になって考えてくれるので、ぶしつけな態度でイライラさせられることもありません。
まちがって悪い仲間と付き合いそうになったら、少し距離を置いたところからの冷静かつ客観的な視点で、付き合いをやめるよう静かに説得してくれるはずです。
いかがでしたでしょうか。
「一人になりたい人の心理」が少しつかめてきたのではないでしょう。
イメージとはだいぶ違う、心やさしいタイプだということがわかれば、付き合い方も変わり、コミュニケーションの仕方にも良い変化がもたらされることでしょう。