おいしいものが大好きで美食に精通すること、
味の良し悪しを正しく評価できることを「舌が肥える」と表現します。
ここでは、舌が肥える人について、どんな特徴を持っているのか見ていくことにしましょう。
1.人の評価に左右されない
よく「テレビで紹介していた店だからおいしいに違いない」と決めつけてしまう人がいます。
食べる前からそう決めていて、実際にその店で食事をすると「さすがにおいしい」という評価をするケースです。
この人の場合、先入観を持ってその店に行っているわけですから、
純粋に自分の舌によって料理の評価をしているとは言えないでしょう。
それでは、「食べることが好きな人」ではあっても、「舌が肥える人」にはなれません。
舌が肥える人は、そのような先入観を持たずに店に入り、
自分の舌の能力だけを頼りに、味を見極め、正しい評価をすることができます。
たとえ世間で高く評価されていても、それに引きずられるということはありません。
もちろん、人気店には実際においしい店が多いものですが、
人の評価に左右されず、自分の舌だけで味を見極めるのが、
舌が肥える人の大きな特徴ということになるでしょう。
2.必ずしも高級店ばかりに通うわけではない
「舌が肥える人」「美食家」と聞くと、何か高級店にばかり行って、
高価な料理ばかりを食べているようなイメージを持つ人が少なくないでしょう。
もちろん、おいしいものを食べたいという欲求が人一倍強いのですから、
食事にかける経費がふつうの人よりも多くなる傾向はあります。
高級店に行って、高価な食材を使った料理を口にすることも、普通の人よりは多いに違いありません。
しかし、そうではない廉価な店で廉価な料理を食べることも少なくないのです。
前項では、「人の評価に左右されない」という特徴を紹介しましたが、
舌が肥える人には「料理の値段に左右されない」という特徴もあります。
例えば、町の定食屋のワンコインランチでも、B級グルメでも、
自分の舌でその味を確かめ、その結果、最高レベルの評価をすることもあるのが、舌が肥える人の特徴です。
3.飲食店の情報が豊富
マスメディアやグルメ本などの評価に左右されることはありませんが、
舌が肥える人は、飲食店に関する情報は豊富に持っています。
食に対する関心が人一倍強いため、自然にそうした情報に注目するようになっているからです。
そのため、新しくできた店の紹介をテレビでしていれば、必ずチェックしますし、
あまり知られていない路地裏の店なども、細かくチェックします。
舌が肥えるためには、とにかく多くの種類の料理を実際に食べてみなければなりません。
そのための情報収集を怠らないのが、舌が肥える人の特徴ということになるでしょう。
4.食に関する知識量が多く、時にうんちくを語る
食べることが大好きなため、舌が肥える人には「食に対する知識量が多い」という特徴もあります。
店の情報だけでなく、料理や食に関する情報にも敏感で、情報をすぐに自分のものにします。
例えば、調理の方法、調味料の種類や特徴、食材に関する豆知識、
さらには料理の歴史やエピソードなど、とにかく食に関することであれば、
大変幅広いさまざまな知識をもっているのが、舌が肥える人の特徴と言っていいでしょう。
そのように豊富な知識を持っているため、例えば人といっしょに食事をする時、
食べている料理や食材などを話題にして、うんちく話をすることも少なくありません。
うんちくを披露して知識をひけらかそうというのではなく、
純粋に食を愛しているために、結果としてうんちく話が多くなるのが、舌が肥える人の特徴です。
舌が肥える人の特徴を4点お話ししてきました。
舌が肥えるというのは、持って生まれた才能によるところが小さくありませんが、
経験を積み、純粋に自分の舌で味を判断するトレーニングをすることによって、
舌が肥える人になることは可能と考えていいでしょう。