ニヒリストの特徴。ネガティブが陥りやすい!?

最終更新日:2021年9月12日

あなたは「ニヒリスト」という言葉を聞いたことがありますか?

シンプルな言い方をすれば「何をやっても無駄」という考えの人たちを表す言葉ですが近年ではそれをポジティブなものとして受け入れる考え方も生まれてきました。

今回は、時代とともに捉え方が変わってきたニヒリストの特徴を紹介します。

1.何をやっても無駄だと思っている

ニヒリズムは日本語に言い表すと「虚無主義」とも言い、簡単に言えば「この世の全ての物事は無価値である」という考え方の事を言います。

毎日勉強に励んでいたのに大学受験に失敗した、一生懸命に仕事をしたのに評価に繋がらず給料が上がらなかった。

自分ができる限りの努力をしたのに目標に届かった事や、評価されなかった経験というのは人生の中で誰にでもありえる事です。

そういう状態が長い間続き疲れ果ててしまい気力を失ってしまった人たちがこのような考え方になりニヒリストになってしまいます。

そのため、何をやるにしても「やるだけ無駄」「なんの意味もない」という考え方が先行してしまう消極的な姿勢になってしまいます。

一度この思考になると、全てのニヒリストが友人や家族との時間が楽しめなくなるというわけではありません。

一時的には楽しいと感じるのですが後になって虚無感に襲われる人もいます。

むしろ、いつもより楽しい気持ちでいた分日常に戻った時の揺り戻しでより虚しく感じてしまうのではないでしょうか。

2.冷たい人間だと思われやすい

ニヒリストは何事にも価値や意味が無いと思っている人たちなので、目の前の仕事が成功しようが失敗しようがどうでも言いという考えになってしまいます。

そのため、積極的に仕事に取り組む姿勢があまり見られず、同僚や上司からしてみると「冷めた人」「やる気がない」という風に見られてしまいがちです。

しかし本人からしてみれば周りの評価すらどうでも言いと思っているので、仕事への態度や関係の修復を考えると言うことすらしません。

その結果として他人との関係が希薄になりやすく、多くの人からは冷たい人間だと思われてしまいます。

3.積極性がない

人生そのものに意味が無いと考えているので、もっとお金を稼いでいい生活がしたいとか、生活を豊かにしたいという意識は皆無です。

今の仕事もお金が必要だから続けているだけでそれ以上の考えがあって続けているわけではありません。

スキルアップやキャリアアップのチャンスが回って来たとしても、それをメリットと捉える事がないためせっかくの機会を棒に振る事が多いです。

しかし、後になってやっていればよかったと後悔する事もありませんし、自ら次の機会を得るために行動するということもありません。

自分の新たな可能性を広げる事に興味を失っているのもニヒリストの特徴の一つです

4.人の意見に流されやすい

積極的に何かに取り組む事に対して意義を見出せないのがニヒリストですがその主体性の無さゆえに他人の意見に流されやすい特徴もあります。

皆で何かを話し合う場面でも、誰が何を決めても結果は変わらないと考えているため、話し合いに積極的に関わる事はしません。

そして決まった事に意見する事もありません。

大事な会議で意見を聞かれた時も、昼食のメニューを聞かれた時と同じ感覚で「なんでも言い」と答えられてしまいます。

5.意味が無いからこそ好きな事をして生きる

ここまでネガティブな特徴ばかりあげてきましたが「この世の物事に意味はない」という思考だからこそ持てるポジティブな特徴があります。

それが「生きる意味なんてないからこそ自分の好きにすればいいのでは無いか」という考え方です今起きている出来事には何も意味も価値も存在しないのなら、一生懸命好きな事をしてもいいのではないかという今までとは逆転の発想ですね。

哲学者のニーチェはこの前向きな考え方を積極的ニヒリズムと定義しています。

また近年ではイギリスの大手一般紙が「陽気なニヒリズム」が十代の間で広まっていると報じていますこちらは「人生に重要な事なんてないのだから気楽に、あるがままを生きよう」という考え方です。

今までのニヒリストたちは世の中に価値や意味が無い事に対して悲観的に受け止め、そこに思考が囚われていたために消極的な生き方であると紹介しました。

しかし「陽気なニヒリスト」たちは価値のない物に目を向けるのをやめ目の前の出来事を楽しむようにした結果、より積極的に他者と繋がりを持つ傾向があるとの事です。

「積極的ニヒリズム」と「陽気なニヒリズム」は厳密には違うのですが人生を前向きに生きていこうと言う考え方は共通しています。

ニヒリストの特徴まとめ

ニヒリストの特徴を紹介しました。

「人生そのものに意味が無い」と言うネガティブな思考が前提なため、どうしてもネガティブな特徴が前に出てしまいましたね。

しかし、そこから抜け出して「意味なんてないからこそ楽しく生きる」と決めた人はより逞しく生きられるのではないでしょうか。

もしも自分の人生の意味や価値に悩むほど疲れていたら、一度立ち止まって目の前の出来事をただ受け入れる事が大事です。