感情はポジティブなものであれば仕事に対するエネルギーにもなりプラスに働くこともありますが、
それが怒りや不安などのマイナスの感情のときはどうでしょうか。
その感情のせいで一日イライラ過ごしたりして振り回されたくはないはずです。
特に自分の期待に反した行動や、自分のことを理解してもらえないなど対人関係でネガティブな感情を感じることがあります。
子供であれば泣いたりしてこの思いを表現することもあり得ますが大人はそうはいきません。
ここではネガティブな感情に対処するためのヒントを紹介します。
1.感情を客観的に見る
今自分がどう感じているのか、客観的にみると次第に冷静になってきます。
つまり感情に気付くということです。
感情を感じる自分をもう一人の自分がみるイメージです。
感情は瞬間的に出てくるものなのですぐには気付くことは難しいかもしれませんが、後からでも気づくことはできます。
他人が変わらなければ、感情が変わらないと思う人もいるかもしれませんが、その感情を感じているのは自分自身です。
感情で反応するのか、言葉でどうしたいのか表現するのかを選ぶことができます。
もし、冷静に見ることができれば、それからどう対処するかも冷静に判断できるはずです。
2.呼吸を整える
ネガティブな感情が起こったときというのは、心拍数が上がり、呼吸も浅くなっています。
そういう時には意識的に長くゆっくりと腹式呼吸をします。
一定のリズムでゆっくりと呼吸をすると脳内から心の安定に関係する神経伝達物質のセロトニンがでてきます。
また、ストレスを感じると活発になる交感神経が優位になりますが、呼吸を整えることでリラックス効果のある副交感神経を優位にすることができます。
他にも瞑想も効果的で、呼吸が浅くなる、血圧上昇など身体的なストレス反応が軽減されます。
方法は静かな場所で楽な姿勢で座り、ゆっくりと口から吐いて鼻から吸う呼吸をします。
そして頭に浮かんでくる思考を客観的にみるようにします。
これを毎日15分程度行うことで、感情に振り回されず気持ちを切り替え、冷静に物事を見られるようになる効果が期待できます。
3.解決する方法を探す
感情を乱されるような状況になったときそれまでと同じようにネガティブな感情を感じるのではなく別の感じ方ができれば、
振り回されるという悪いパターンにはまることもなくなるはずです。
心理学者のアドラーによると「すべての感情には目的がある」と言います。
例えば、怒りで感情を爆発させたことがあったとします。
これは自分を思うようにするという目的から感情を使ったというように考えることもできます。
自分がうまく感情をコントロールできなかった時を具体的に思い返してみましょう。
その時の感情はどうだったでしょうか、怒り、悲しみなど思いだしてみます。
その状況を別の視点から見るとどうでしょうか。
例えば、挨拶をしてくれなかったということで怒りを感じたとします。
はじめは自分のことを嫌っている、無視したと解釈したとしても、
別の視点から見ると相手が単純に忙しかったからたまたまそういうことが起こったのかもしれません。
アドラーはまた感情は自分の価値観と関係していると言います。
たいていは、~しなければならないと表現しているものです。
その価値観は本当に必要なものでしょうか。
そして価値観を肯定的な表現へ書き換えていきましょう。
つまりマイナス面ではなくこのことから得られること、プラスになることを見つけるのです。
それからどういう結果になるとよかったのでしょうか。
相手を変えるのではなく自分がどうするのかということです。
同じ状況であっても皆が同じ反応をするわけではありません。
すべては自分の感じ方次第です。
「感情は消すことはできない」
感情にはそれぞれ役割があり、また自分がどうしたいかを教えてくれます。
無理に抑え込もうとすることは、ストレスの原因にもなります。
うまくコントロールして感情とつきあっていくことが大切です。