自傷癖がある人の困った特徴5個

最終更新日:2016年5月9日

多くの人は、自分の肉体が傷つくことを避けようとします。

言うまでもなく、肉体の傷には痛みが伴うためです。

ところが、自らの意志で自分の肉体を傷つけ、しかもそれが癖になってしまっている人もいます。

他の人からは理解しにくい自傷癖がある人について、その特徴を紹介しましょう。

1.人に対してやさしい

最初の特徴として、「人に対してやさしい」という点をあげます。

ちょっと意外に感じられている方も少なくないでしょう。

自傷癖のある人と言うと、極めて内向的で、自分に対する意識しかないように思われるかもしれません。

しかし、実際にはそうではないのです。

内向的であることは間違いありませんが、他者と自分の関係についても、無意識のうちに強く意識しているものです。

自傷癖のある人は、過去のトラウマや、過度のストレスから自傷行為に及ぶわけですが、同じ理由から人を傷つける人もいます。

そして、そのように他者を傷つける人が多いことは、毎日のニュースを見ればよくわかるでしょう。

つまり、自傷癖のある人は、人を傷つけるという選択肢を避け、あえて自分を対象にしているわけです。

そこには「人は傷つけたくない」というやさしさがあると考えていいでしょう。

2.自分の苦しみを人に知ってほしい

自傷癖のある人は他者との関係性を意識しているという説明を、前項でしました。

もう一つ、その意識が表れた心理的特徴があります。

それは「クライシス・コール」と呼ばれるものです。

自分の肉体を傷つければ、その傷跡を人に見られることは、当然想定できるでしょう。

例えば、リストカットすれば、その傷跡を人が見とがめて、「どうしたの?」と心配されるに違いありません。

苦しい胸の内を人には隠しておきたいと強く思うのであれば、人の目に触れるような自傷行為に及ぶことはないでしょう。

傷が人目にさらされる形で、自らの肉体を傷つける裏には、

「自分の苦しみ、心の痛みを人に知っってほしい」という心理が隠されていることが少なくないのです。

3.生真面目

もし、人生をいい加減に考えていて、何事に対しても「まあ、いいや」と感じることができれば、自傷行為に及ぶほど、深く悩みことはないでしょう。

自分の人生と真摯に向き合っているからこそ、人一倍深く悩み、人一倍心が傷つき、その結果として自傷という過激な行為に及ぶわけです。

つまり、「生真面目さ」が、自傷癖がある人の心理的特徴の一つということになります。

4.自分が好きになれない

最初に「人にやさしい」という特徴を紹介しましたが、逆に「自分には厳しい」というのも、自傷癖がある人の心理的特徴です。

過去のトラウマがフラッシュバックして、自傷行為に及ぶことが少なくありません。

その場合、その過去の出来事そのものに対する嫌悪感よりも、「そんな経験をしている自分が嫌い」という意識の方が強く作用しています。

なお、内向的で自己評価が低く、自分嫌悪から自分を傷つけてしまうわけですが、多くの場合自殺は考えていません。

もちろん、例外はありますが、そこまでの意図はなく、嫌いな自分の肉体を傷つけることで、心の痛みから逃れたいと考えるケースが多いのです。

5.自傷によって、心をさらに傷つけてしまう

精神的な痛みを何とかしたい、少しでも軽くしたいという思いから、自分で自分を傷つけるのが、自傷癖のある人です。

しかし、実際にはその目的が達せられることはほとんどありません。

自傷によって肉体は間違いなく傷つきますが、それによって心の痛みが緩和されたり、解消されるということはないのです。

むしろ、「自傷行為をする自分」を嫌悪することによって、心はさらに深く傷ついてしまいます。

自傷癖がある人の特徴について、主にその心理的特徴を紹介してきました。

あなたの近くに自傷癖がある人がいるなら、ぜひその人を理解するための参考になさってください。