自己評価と他者からの評価がぴたりと一致していれば、それに越したことはありません。
しかし、実際には自己評価が高くなりすぎたり、低かったりすることがほとんどです。
ここでは、自己評価が低い人について、なぜ評価が低くなってしまうのか、その原因についてご紹介します。
1.高い目標を持った理想主義者である
自分で設定した高い目標がある理想主義者は、どうしても自己評価が低くなります。
他の人から見れば、「よく努力している」とか「結果を出している」と評価できても、
本人にしてみると「理想と比較したら、まだまだ全然出来ていない」という評価になってしまいます。
こういうタイプの人は、小さな目標をクリアするだけでは満足できません。
小目標はあくまでも通過点に過ぎないという意識を持っていますから、人生の大目標、
自分にとっての理想を達成できない限り、低い自己評価を続けることになります。
そして、そうした理想を達成することは現実にはかなり難しいので、生涯、高い自己評価をすることができないことが多いと考えていいでしょう。
なお、似たタイプには、減点式の自己評価をする「完璧主義者」もいます。
2.強いコンプレックスがある
多くの人が多少なりともコンプレックスを持っているものですが、
そのコンプレックスが強い場合、自己評価が低くなるという傾向が顕著にあります。
自分に何か大きな欠点があるという自覚が、「自分は人より劣っている」という意識を生みますから。
自分に対して高い採点をすることができません。
そのコンプレックスとは全く関係ないようなことであっても、自信のなさから、総じて自分を低く評価してしまいます。
人からは、気にするほどではないようなコンプレックスでも、本人にとっては大変大きな問題と感じられるケースが少なくありません。
他者からの評価は高いにもかかわらず、自己採点が厳しくなるのは、そのためです。
3.親に厳しく育てられた
親からの「刷り込み」によって、自己評価が低くなるというケースもあります。
厳格な親や、子どもに対して厳しい評価をする親に育てられると、自分自身に対する採点も厳しくなってしまいます。
幼児期より「お前はダメだ」「お前はできない」と言われながら育つと、子どもは自然に「自分はダメな、できない人間だ」と思うようになってしまうでしょう。
そのため、大人になってからも、自分にやさしい評価をすることができません。
親の言葉が脳裏にしっかり刻み込まれているために、親と同じような厳しい目で自分を見るようになってしまっているのです。
4.兄や姉が優秀で比較されながら育った
優秀な兄弟姉妹を持っている人も、それが原因になって、自己評価が低くなってしまうことが珍しくありません。
特に、兄や姉が優秀な場合、ものごころついた時から「できの良いお兄ちゃん、お姉ちゃん」と比較されながら育つことになります。
この場合、親からだけでなく、親類や知人など、周囲の多くの大人から、「お兄ちゃんはできる。
それなのに弟は」とか「優秀なお姉ちゃんに比べて妹は」というように指摘され続けますから、どうしても自分を低く評価するようになってしまいます。
5.「謙虚が美徳」という強い意識を持っている
もう1つ、自己評価の低い人が持ちがちなのが、「自分は謙虚である」という意識と、「謙虚は人間にとって大きな美徳である」という価値観です。
こういうタイプの人は、自分を高く評価するのは良くないこと、みっともないことという見方をします。
自分に厳しく、自分に対して甘い採点をしないのが、あるべき人間の姿だと思うわけです。
その価値観に従って、意識的に低い自己評価をします。
そして、それで満足し、「そんな謙虚さを持った自分は人間として優れている」という思いを抱くのですから、
「実は自己評価が低くない」ということになるでしょう。
自己評価が低くなる原因について、ここでは主なものを5種類取り上げて説明しました。
その原因はいろいろあること、まったく種類の違う原因もあることをご理解いただけたのではないでしょうか。
参考にしてみてください。