子どもなどに対して厳しく接したりしつけたりすることができず、
わがままな言動やマナー違反などをそのままにさせておく人が少なくありません。
どうしてそのように人を甘やかしてしまうのか、ここでは「甘やかす人」について、
どんな特徴があるのか、心理面に注目してご紹介しましょう。
1.「相手から嫌われたくない」という心理
甘やかす人の特徴として、まずあげられるのが、「相手から嫌われたくない。
相手からよく思われたい」という心理でしょう。
子どもを甘やかす親は、子どもに「パパ、大好き」「ママ、大好き」と思ってもらいたいのです。
孫を甘やかすおじいちゃんやおばあちゃんは、特にこの心理が強いと考えていいでしょう。
「甘やかす」という表現は、子どもに対して使われること多いですが、
それ以外にも、「部下を甘やかす上司」とか、「つい、恋人のことを甘やかしてしまう」という使い方をすることもあります。
それらのケースでも、部下を甘やかす上司には「部下から好かれたい」という心理があり、
交際中の彼氏や彼女を甘やかす人は「恋人に嫌われたくない」という心理を持っているわけです。
この場合はつまり、相手のことよりも、自分にとっての利益を考えているわけで、
その意味ではエゴイスティックな心理と言うことができるでしょう。
2.「相手を傷つけたくない」という心理
子どものことが好きでたまらないために、子ども甘やかしてしまう親が少なくありません。
そこには「厳しくすることで、大好きな子どもの心を傷つけたくない。
子どもに少しでも嫌な思いはさせたくない」という心理が働いています。
恋人を甘やかす人も、この心理を持っていることが多いものです。
また、部下を甘やかす上司も、「部下を傷つけたくない」という心理を持っているケースがありますが、
その場合は、部下のことが大好きというよりも、優しい性格のために、
「傷つけたくない」と感じることが多いと考えたほうがいいでしょう。
相手に対する好悪の感情とは関係なく、その人間的な優しさから、相手に対して厳しく接することができないわけです。
3.相手の力を信じている
例えば、部下がミスをしても厳しくしかったりすることをしない上司がいたとしましょう。
普通なら厳しく対応するようなミスでも「人間は誰でもミスをするものだ」ですませてしまうような上司です。
はた目には「部下を甘やかしている上司」というように見えるに違いありません。
しかし、上司本人は、このように考えているケースもあります。
「部下は自分のミスを十分に反省している。
その反省は必ず仕事に生かされるに違いない。
ミスを反省することで、部下はきっと成長する。
それだけのポテンシャルを持っているのだ」と。
つまり、この場合は、上司は部下の力を信じているから、あえて厳しい小言を言ったりしないわけです。
上司は意識的に部下に甘い対応をして、部下の自力による成長を促していると考えていいでしょう。
4.「相手と衝突したくない」という心理
相手が子どもであれ部下であれ恋人であれ、厳しい対応をすれば、相手と衝突することにもなりかねません。
特に、反抗期の子どもや気の強い部下や恋人の場合、
こちらが厳しくしつけようとすると、反抗される可能性は小さくないでしょう。
それを嫌うために、つい甘やかしてしまうということもあります。
気が弱いために衝突を避ける人もいますし、めんどくさいと感じるために事を荒立てないケースも少なくありません。
いずれにしても、「相手との平穏な関係」を壊したくないために、結果として甘やかしてしまいます。
子どもや部下などを甘やかす人の心理的特徴を4種類、紹介しました。
甘やかすというのは、相手にとってマイナスになることが多いですが、
相手を信じてあえて甘やかす対応をとるということもあります。