劣等感とは「自分が他人よりも劣っていると主観的に思うこと」です。
他人から見てそう感じなくても本人が劣っていると感じていることは劣等感を持っていることになります。
理想と現実の自分に開きがあれば、そのことについて劣等感を感じます。
ですが、逆に見れば自分の目指したい理想像があるということです。
そこで劣等感を利用して理想の自分に近づくためにどうすればいいのかというヒントを紹介します。
1.劣等感を言い訳にしない
劣等感は自分が行動しないことに対する言い訳に使うと自分の成長を阻害するものになります。
例えば、「太っているから結婚できない」、「親の遺伝で学歴が低い」など根拠のない言い訳をして自分を納得させるのです。
アドラーによると「劣等感は病気ではない。
むしろ健康で正常な努力と成長への刺激である」と言います。
どんな人であれ少なからず劣等感はあります。
成功者の多くは劣等感を言い訳にせず力にして克服し偉業を成し遂げました。
「どうせ私なんて」と言ったりしていませんか。
また自慢をしたり、他人を攻撃したり、不幸自慢をしたりしていませんか。
これらは自分が劣っていることを隠すために過剰に反応しています。
このような反応を劣等コンプレックスと言います。
アドラーによると劣等コンプレックスは持つべきではないと言います。
行動しない理由にしていないか、自分の言動など振り返ってみましょう。
劣等コンプレックスがあると気付けたらそれは自分がどうなりたいか気づくチャンスです。
2.劣等感を受け入れる
劣等感の中には自分の努力では変えられない、身長や目の大きさなどの身体的なものもあります。
そのような劣等感は受け入れることです。
なぜそのことに劣等感を感じるのでしょうか。
同じようなことでも劣等感を感じない人もいます。
そうでないといけないと感じる目的がわかれば、それを克服するための方法も考ることができます。
「身長が低いから結婚できない」と考えてしまう人は結婚したいという目的がはっきりします。
身長に注目するのではなく、結婚するにはどうする必要があるのか考え、他のことでその部分が気にならなくなるぐらいの魅力を作ることもできます。
また過去の失敗から劣等感を感じているときもその失敗を受け入れることが大切です。
これは目標を諦めるという意味ではありません。
カリフォルニア大学の研究によると「自分の失敗を受け入れる姿勢」を持っている人は目標を達成しやすく、
自分の短所も変えられると考える傾向にあることがわかりました。
また失敗を受け入れていない場合と比べると、自分の悪い点を改善して次回につなげようとすることから、仕事の質もあがるということです。
この理由として考えられることは失敗を受け入れていることで自分の能力などを客観的に見ることができ、
今何をすればいいのかを考えることができるようになったからであるとしています。
完璧でない自分であることを認めることは、同じ失敗を繰り返さないためにどうすればいいのか考えることにもつながりますが、
自分は完璧であると考えているときはそういう改善の必要性を認めるわけにはいきません。
そうなれば自分が完璧でないと自分で認めるようなものですから。
重要なのは完璧でない自分を認め失敗しても挑戦し続けることです。
3.社会貢献をする
自己肯定感が高いと劣等感も持ちにくくなります。
大きなことでなくても身近なことから貢献ができます。
例えば家の皿洗いをする、ごみを拾うなど自分で貢献しているという主観的な感覚が得られるものなら何でも良いでしょう。
大切なのは見返りや評価を期待しないことです。
その期待は周りに伝わり対人関係も悪くなることも考えられます。
また、これは他人の目を気にして行動をしていることになり、認めてもらえなかったときにはやる気も下がります。
あくまで喜んでもらいたい、役に立ちたいという動機で行動します。
そうすれば自分が役に立てているという感覚が生まれ自己肯定感も高まります。
劣等感は誰でもあるものです。
劣等感自体は問題ではなく、問題なのは目をそらして言い訳にすることです。
それでは何の成長もありません。
どうすれば少しでも克服できるか考えて、少しだけでも行動してみることが大切です。
それによって劣等感は克服できます。