兄弟として生まれる順番は、その人の性格を決定づけるうえで、大きな要因となります。
末っ子にはどんな特徴があるでしょうか。
1.甘え上手
家族の中で両親や兄姉に庇護されて育った末っ子は、家以外の場所でも甘えることが得意です。
学校では先生にはもちろん、同級生にも甘えてしまいます。
生まれた時から、体力でも知恵でも勝つことのできない兄や姉を相手にして生きてきましたから、
言い負かされることにも、叩きのめされることにも慣れています。
そんな悪環境の中、なんとかして自分の要求を通すためにはどうするか、試行錯誤した結果、兄や姉の父性、母性を引き出すことを覚えるのです。
叩かれて、泣かされて、悔しくて悔しくて両腕を振り回して立ち向かって行きますが、どうしても勝てません。
地に伏して大声を上げてさらに泣き、泣きつかれた顔をさらして「お兄ちゃん、ぼくにもちょうだい」と掠れた声で言うのです。
父性を刺激された兄は末っ子の思う壺にはまります。
2.まとめ上手
家の中で家族の様子を一番冷静に観察しているのは末っ子です。
一番弱い立場であるからこそ、何か異変があったときには、すぐに行動に移す瞬発力が大切だからです。
父の機嫌が悪そうだと察すれば、空気を読めない兄が父の地雷を踏む前に、
お世辞のひとつでも言って父から笑顔を引出し、場を和ませてしまいます。
両親が水面下で冷戦中なのを敏感に察知したら、無邪気を装い無遠慮に
「お父さんとお母さん、ケンカしてるの?ぼく悲しい」と涙目で訴えれば、父も母も、痛い所を突かれた恥ずかしさと、
目に入れても痛くない末っ子の涙とで、「もういいか」となってしまいます。
学校や職場では、ちょっと強面の相手に対してもひるむことなく、一見ズカズカと、
実は計算づくで、不しつけとも思える言葉を駆使して相手の懐に入ってしまいます。
そして相手が不快だと感じる前に引き、ぼくは気遣いしていますよと、強引にアピールします。
3.長子につよい
上記1及び2からも分かるように、末っ子が人間関係を形成するうえで最も得意とする相手が長子で、次いで中間子です。
長子は末っ子が親の庇護を無条件に受けることへの羨ましさを持つ反面、自らも親側の立場で末っ子をみてしまうという特徴があります。
だから末っ子の狡さも承知していますが、その狡さが見え隠れしていても、それも含めて可愛いと感じてしまいます。
さらに、末っ子は長子のその気持ちを知っていて、利用するだけの狡さが自然に育っています。
たとえ相手が年下であっても、長子は長子です。
末っ子の得意とするとところに変わりはありません。
4.末っ子が嫌い
これまでのことから導き出されることとして、当然のことですが、末っ子同士はうまくいきません。
両手を振り回して互角に殴り合い、両者とも地に伏して泣いていたのでは、話が先には進まないのです。
それらの行動は相手に自分の弱さを曝し、相手の優越感を刺激して、自分の欲求を通してもらうための末っ子のスキルです。
そのスキルが通じない相手が苦手なのは当然のことです。
末っ子同士では、相手の狡さばかりが目につきます。
その狡さは同族のもの、すなわち自分が充分に承知している自分の嫌な部分でもあります。
それを目の前で見せつけられるのですから気分が良いわけがありません。
お互いになるべく避けて通りたいと思うのは必然です。
末っ子の狡くて計算高いところばかりが強調されてしまいましたが、打たれ強い一面もあります。
打たれても、打たれても立ち上がるからこそ、兄や姉と互角に渡り合ってこられたのです。
立ちはだかる壁が高ければ高いほど末っ子は燃えます。
長い期間を要すること、努力を続けなければ成し遂げられないことに、
一心不乱に立ち向かう気力を持つことも末っ子の特徴といえます。