同じ内容の話をしているのに、相手になかなか話が伝わらない人もいれば、簡単に相手を説得することのできる人もいます。
誰しも「後者でありたい」と思うでしょう。
そうした「説得力がある人」にはどんな特徴があるのかご紹介します。
1.表情、姿勢、態度、声の調子が自信に満ちている
説得力のある人の特徴のほとんどは「話し方や、話すテクニック」に関するものですが、
それは、次項以降で紹介するとして、最初に、それ以外の特徴を一つだけお話ししておきます。
人に対して説得力のある話をするためには、話すテクニック以前に、「自信」を持つ必要があります。
自分が話そうとすることについて、その内容に自信がなければ、どんなテクニックを弄しても説得力のある話はできません。
また、自分に自信がなく、おどおどしたような印象の人が、どんなに優れた内容の話をしても、相手を説得することはむずかしいでしょう。
つまり、自分自身や話の内容に自信を持っていて、その自信が表情や姿勢、態度、声の調子に表れている人が、説得力のある人です。
2.論理が明快で、結論を先に言う
説得力のある人の話し方の特徴の一つが、「結論を先に言う」ということです。
例えば、一つの商品を人に勧めるとき、その商品の特徴をこと細かく説明したあとで「だから、オススメします」と言うのと、
「この商品、ぜったいにオススメです」という結論を先に言って、その理由を後から説明したほうが、明らかに説得力は増すでしょう。
また、その理由の説明が論理的であること、明快な論理展開ができることも、説得力のある人に共通する特徴と言うことができるでしょう。
3.相手に合わせた話し方ができる
頭の良い人が、イコール説得力のある人ということにはなりません。
論理的な話が、必ず相手を説得できるというわけでもありません。
それはなぜか。
話をする相手によって、理解度が違ってくるからです。
例えば、大学教授がいつもやっている講義と同じ調子で小学生相手に講演したとしても、おそらく話はほとんど伝わらないでしょう。
大学生と小学生では、理解力がまったく違いますから、小学生を相手にしたときには、そのレベルに合わせた話し方をする必要があります。
ですから、相手の理解力に応じた話し方のできる人、話をしながら相手のレベルを見定めて、
その人にわかってもらえる説明ができる人が、真の意味での説得力がある人です。
4.2種類の「例」が上手
説得力のある人の特徴は、「2種類の「例」を使うのが上手」ということです。
ちょっとわかりにくいでしょう。
どういうことなのか、説明します。
1つ目の「例」は、文字通り「例」を示せるということ。
「説得力のある人は経験豊富な人」という考え方をする人もいます。
経験豊富な人は「私の経験から言うと」という、自ら体験した具体例をあげることができるため、説得力が増すという考え方です。
しかし、若くて人生経験が少ない人でも、説得力がある人は少なくありません。
そういう人は、自分の経験でなくても、人から聞いたり、知識として持っている経験が豊富なために、説得力のある話ができます。
もう1つの「例」は「例え話」です。
話し上手な人は「例え上手」なものです。
あることを説明するときに、ほかのことに置き換えて、例えで話すことによって、相手の理解度は高くなります。
例えば、経済問題について話をする際、国の経済状況を「病気」に例えたり、防衛問題を「町内会のつきあい」に例えて説明することがよくあります。
そういう「例え」が上手な人が、説得力のある人です。
5.3つから5つの「ポイント」を明示する
ポイントを明示してから話をする、というのも、説得力のある人の話し方のテクニックです。
結論を先に伝えて、そのあとで説明をするというテクニックについては既述の通りですが、
同じように最初に「ポイントは3つあります」と告げて、それから個々の説明をするのも、説得力のある話し方になります。
ただし、ポイントの数があまり少なくても、また、多くなりすぎても説得力は弱まります。
話に説得力を持たせるには、3つから5つぐらいまでのポイント提示が適度でしょう。
お読みになっておわかりの通り、説得力のある人は、何か特殊な才能を持って生まれてきたわけではありません。
「どうしたら、相手に話を分かってもらえるだろうか。
どうしたら、自分の意見に賛同してもらえるだろうか」という意識を持って努力をすれば、誰でも説得力のある話ができるようになるはずです。