「子どもがいくつになっても、子離れできない」という母親は少なくありません。
親として子どもを心配するのは当然のことですが、過干渉になってしまうのは、親子双方のために良いことではありません。
では、子離れできない母親にはどういう特徴があるのでしょうか。
1.「子ども」が唯一の生きがい
多くの親にとって、子どもは生きがいの一つです。
しかし、人間にとっての生きがいは「子ども」だけではないでしょう。
趣味や友人関係、あるいはサークルや地域の活動、仕事など、さまざまな生きがいを複数持っているのが一般的です。
ところが、子離れできない母親にとっての生きがいは「子どもだけ」です。
そうしたタイプの母親は、「自分の人生から子どもを取ったら、あとには何も残らない」という意識を持っています。
つまり、自分の人生の意味を子どもにのみ見出しているわけで、そのため、子どもに固執せざるをえないのです。
子離れできない母親は、表面上は「子どものため」に行動しているように見えますが、実は「自分のため」の行動にすぎません。
2.子どもに対する評価が低く、子どもを信用していない
子離れできない母親には、「わが子に対する評価が低い」という特徴もあります。
人一倍子どもを愛しているようでありながら、自分の子どもに自信が持てません。
そのため、「あの子に任せておいたら、きっと間違ったことをする」「放っておいたら、どうなるかわからない」と考え、過度に関わろうとしてしまいます。
わが子に自信があり、信用していれば、子どもに任せておくことができます。
それができないために、子どもがいい大人になっても、子どもから離れられないのです。
3.ヘリコプター・ペアレント
「ヘリコプター・ペアレント」という言葉があります。
子どもに過干渉する親を、ヘリコプターに例えた表現です。
ヘリコプターのように子どもの近くを常に旋回し、何かあれば、すぐに口と手を出します。
子離れできない母親は、このように、常に子どもを観察し、いつでも動ける態勢を整えておくという特徴があります。
子どもと同居しているケースは言うまでもありませんが、別居していても、子どもの現況をできるだけリアルタイムで知ろうとします。
そのために、密なコミュニケーションを取ろうとしますし、子どもの側からのレスポンスがないと、すぐに不安になってしまいます。
それはつまり、「ヘリコプターとしての務めを果たせないこと」に対する不満であり、不安と考えていいでしょう。
4.自分の意見や価値観を押し付ける
子どもへの接し方の特徴としては、「意見や価値観の押し付け」ということがあげられるでしょう。
すでに説明した通り、子どもに対する評価が低く、子どもを信用していないため、その主体性を無視します。
「子どもは判断を間違えるに違いないから、自分が指導して、正しい選択をさせるようにしないといけない」という意識を持っています。
そのため、子どもの主体性を尊重することなく、自分の意見や価値観を押し付けようとします。
「こうしなさい」「こうしなきゃだめ」というのが、子離れできない母親の口癖と言っていいでしょう。
5.常に人と自分を比較する
子離れできない母親には、すぐに人と自分を比較するという共通点もあります。
価値観を子どもに押し付ける割には、自分に自信がありません。
自分に自信のない人は、自分を人と比較しないではいられないのです。
わが子についても同じです。
常に自分の子どもと人の子どもを比較して、「うちの子はダメだ」と悲観してしまうのが、子離れできない母親の困った特徴と言うことができるでしょう。
マイナス思考の傾向も強いために、「うちの子の方が優れている」という判断をすることはあまりありません。
今回は、子離れできない母親に共通する特徴を見てきました。
自分では子離れできていると思っていても、実はできていないというケースが少なくありません。
子どもを持つ方は、自分に当てはまる特徴はないか、セルフチェックしてみてはいかがでしょうか。