自分なんて何をやってもダメ。
そのようなことを口に出さなくても心のどこかに思っている人は行動が萎縮して、
自分の意見をたずどこか流れに飲まれてしまっている人が多いのです。
しかしながら自分は未熟者だ、ダメな人間だと人は誰しも1回はその身を持って感じるものです。
そして多くの人がその葛藤を自分なりに妥協したり、乗り越えたりして生きています。
しかし自己否定感がとりわけ強い人はそれに当てはまりません。
自己否定感が常態化してしまうと自暴自棄状態となってそれを解決しようとは思わなくなってしまいます。
こうした自己否定感は幼少期の家庭環境が非常に大きく影響しているといえます。
今回はそんな自己否定する人の心理についてご紹介します。
1.自己否定のはじまり
生まれた全ての子供は親に褒められると非常に嬉しいものです。
特に幼少期においては親の褒めるという行為は子供の自己を安定させ、自尊心を育んでくれます。
ですが、この親からの対応が否定ばかりの場合、子供は何をすれば褒められるのか、認めてもらえるのか必死になって考え、行動するようになります。
しかし、親が子供の成果に納得せず、更に高い目標を課してしまうといつか子供の心はパンクしてしまいます。
こうなるとそれまで異常に無気力、無関心になっていきます。
この症状は大人になるまで引きずってしまいます。
2.自己欲求を満たすために
自己否定感が強くなり、それが常態化してしまうと一部の子供は暴力によって自己顕示欲をみたそうとします。
まだ表に出せるのは救われていますが、心の内に秘めてしまう人はそれを吐き出すことができず
多くの場合は大人になるまでこれらを引きずってしまいます。
自分というものを持っていないので、何をするにも無気力で目標もなくなってしまい
それを自分は何をやってもダメな人間であるということで納得させています。
引きこもりになってしまう人は多くの場合このような症状を抱えています。
こうしたうちに秘めた自己否定感を改善するためには自分の感情を表にだす訓練が必要となります。
3.自己と向きあう
家族関係の中で自己否定感が心の中に根付いてしまった人は認められなかった自己欲求を表にだして解消しなければいけません。
その主たる方法は自分の過去を見なおして自分は悪くはなかったと見つめなおすことです。
この時に自己欲求を満たされなかった幼少期の自己をインナーチャイルドと言います。
このインナーチャイルドを満たしてあげることで自ずと引きずっている自己否定感は解消されていきます。
今回は自己否定をする人の心理についてご紹介しました。
家庭環境の不和によって幼少期に十分な愛情を親から受けることのできなかった人は
青年期になると自己否定感が強くなり非常に生きづらさを感じるようになります。
最悪の場合、うつ病などにかかり自殺を計ってしまう人もいます。
自己の喪失とはそれほど生きていく上で苦しいことです。
こうした自己否定感と向き合うためには勇気が必要になります。
ですが、自分の苦しさを吐露することで見えてくる新しい自分がいることも事実です。
自己否定感に苛まれている人は思い切って心療内科を受診してみるか、
絵を描いたり文章を綴ったりして客観的に自分を見るようにしてみてください。
自分で自分を褒めることも非常に有効な改善方法です。
近年ではこうした家庭環境の不和により、自己否定感が強い人をアダルトチルドレンと呼んでいます。
この言葉が生まれたことにより多くの人達が自分の自己否定感が幼少期の体験にあるものと認識できるようになりました。
自己否定感を改善したい、もっと明るく生きてみたいと願う人はまず、同じように自己否定感に苦しんでいる人たちが多くいること、
さらに治療によって自己否定感が改善されるということを心に止めておいてください。