日本では喫煙率が減少傾向にありますが、
その一方で、今も喫煙を続けている人も、けっして少なくはありません。
喫煙経験のない人の中には、「どうしてタバコを吸うのか理解できない」と思う人もいることでしょう。
ここでは、喫煙者にはどんな特徴があるのか、主に心理面の特徴を紹介することにしましょう。
1.意志が弱く、自分に甘い
喫煙者のうち、「タバコをやめたい」という人と「せめて本数を減らしたい」と考えている人を合わせると過半数になるという、
厚労省の調査があります。
特に女性には「やめたい」という人が多い傾向がありますが、男女とも、
これまで一度も禁煙を考えたことがないという喫煙者は、それほど多くないにちがいありません。
つまり、「タバコをためたいけど、やめられない」という喫煙者が少なくないわけです。
その原因は、ニコチンの中毒性にあるわけですが、禁煙を成功させた人もたくさんいます。
強い意志があれば、禁煙を成功させることも可能です。
禁煙したいと思いながらそれを実現できないのは、つまりは、意志の弱さによるものということになるでしょう。
意志が弱く、自分に甘く、「まあ、しょうがない」とずるずる喫煙を続けているのが、喫煙者に見られる特徴の一つです。
2.コンプレックスを感じている
そうした意志の弱い自分にコンプレックスを感じているというのも、喫煙者の心理的特徴です。
コンプレックスが生まれる原因は、意志が弱いという自覚だけではありません。
最近では、分煙、嫌煙が進み、自宅以外ではタバコを吸えるスペースが少なくなっています。
「社内禁煙」を徹底している企業も増えていますし、喫煙スペースがあったとしても、
どんどんそのスペースが狭められているというのが、日本人のタバコ事情と言っていいでしょう。
喫煙者の多くは、そうした社会事情にも大変敏感ですから、「時代の流れに背を向けている自分」を認識しています。
その自覚も、コンプレックスの原因にもなっているのです。
また、受動喫煙の問題もありますから、喫煙者には「周囲の人に迷惑をかけている」という後ろめたさもあります。
つまり、「自分の意志の弱さ」と「時代に逆行する自分」、
「人に迷惑をかけている後ろめたさ」という3つの意識から生まれたコンプレックスを持っているのが、
喫煙者の特徴ということになるでしょう。
3.健康不安を感じている
タバコの害については、ほとんどの日本人が、ある程度の知識を持っているに違いありません。
特に喫煙者は、そうした情報に敏感なものです。
ですから、日常的に「タバコにはこんな害がある」という情報に接し、不安を募らせているのです。
健康不安を感じているために、タバコに関する小さな情報も、細かくキャッチします。
キャッチしないではいられないのです。
そして、その情報を見つめては、「このままタバコを吸い続けると、どうなるのか」と考え、思い悩んでしまいます。
4.社会に対する不満を感じている
喫煙者の多くは、社会に対する小さくない不満を感じているものです。
よく知られているように、タバコは課税率の大変大きな商品です。
国に収める税金と地方自治体に入る税金などが含まれ、さらに消費税が加わった結果、
タバコの価格の6割以上が税金になっているのです。
タバコはそれほど税負担率が大きいわけですが、喫煙者はそのことを熟知しています。
つまり、「自分はタバコを吸わない人よりも、国や地方に多くの税金を治めている」という自負があるわけです。
さらに言うと、現在はタバコはJTという民間企業が扱っていますが、かつては「日本専売公社」が扱っていました。
つまり、国がその製造、販売に関与していたわけです。
喫煙者の多くはそれを知っていますから、「多くの税金を収めているだけでなく、もともと国が売っていた商品を購入し、
愛用しているだけなのに、どうして悪者扱いされなくてはならないのだ」という不満を感じてしまいます。
タバコに対する考え方や感じ方は、今と昔ではまったくちがっているということができるでしょう。
ですから、喫煙者の意識も、昔とはかなり変化しています。
「現在の日本の喫煙者」はどんな意識を持っているのか、どんな心理的特徴があるのか、理解するための参考になさってください。