人の上に立つポジションについたら、部下から慕われ尊敬されるような上司になりたいと誰でも思うでしょう。
しかし、実際には、部下から嫌われてしまう上司も決して少なくありません。
そんな上司にならないために、ここでは「理想の上司像」にスポットを当てて、その特徴をご紹介します。
【特徴・方法】
1.どんな状況でも冷静な判断と適切な対応ができる
上司に求められることはたくさんありますが、その中でも「セクションの責任を取ること」が、最大の役割と言っていいでしょう。
自分がマネジメントするセクション内で、何か問題が起こったとき、最終的な責任を負うのが上司の大きな役割です。
ですから、場合によっては自分の職を賭して責任を負うだけの胆力が必要になります。
しかし、その前に、セクション内で起こったトラブルや部下のミスに対して、
冷静な判断をし、適切な対応ができるだけの能力がなければなりません。
ただ責任を取ればいいということではないのです。
どんな状況にあっても冷静な判断と対応ができること。
これが理想の上司像の第一の特徴と言っていいでしょう。
最終的な責任を取るのは、そのあとのことです。
2.感情が安定していていつでも同じ対応ができる
気分屋で日によって気分にむらがあり、部下への対応が変わる上司は、間違いなく部下から疎まれます。
「つきあいづらい上司」だからです。
理想の上司像は、それとは正反対です。
常に感情が安定していて、いつでもむらのない対応ができます。
人間ですから、気分のいい時もあればそうでない時もあるでしょう。
しかし、感情や気分をセルフコントロールし、部下の前では気分のむらを見せないのが、理想の上司像の一つの特徴です。
3.誰に対しても同じ対応ができる
好きな部下にはやさしく、嫌いな部下には厳しく接するような上司が、尊敬されるはずがありません。
そうした、いわゆる「人を見る」タイプの上司ほど、理想とかけ離れた存在はないでしょう。
理想の上司は、相手によって接し方や対応を変えることはありません。
相手が好きな部下であっても、そうでない部下に対しても、まったく同じ対応の仕方ができます。
それができるのは、自分の立場をしっかりわきまえた、冷静なセルフコントロールによるものと考えていいでしょう。
4.感情的に怒るのではなく、理性的に指導する
感情に任せて部下を怒鳴りつけるような上司も、部下から嫌われる典型的なタイプと言っていいでしょう。
そもそも、感情的になって怒るというのは、上司のすべきことではありません。
上司の任務は、部下に適切な指導をし、その結果、セクションの業務を完遂させたり、業績をアップさせることです。
ですから、部下がミスをしたり問題を起こした時も、決して感情的にならず、冷静かつ理性的に、
その部下を指導することができるのが、理想の上司像の一つということになるでしょう。
5.表情がおだやか
上司が苦虫をかみつぶしたような不機嫌な顔をしていたら、部下はどう感じるでしょう。
気の小さな部下は、上司の顔色を気にして、びくびくしながら仕事をするようなことにもなるでしょう。
これでは、良い仕事ができるわけはありません。
また、上司が暗い表情をしていると、セクション全体の雰囲気も暗くなってしまいます。
そうならないよう、上司は常に自分の表情にも気を使うべきです。
もちろん、緊急事態が起きた時などは、厳しい表情になるでしょう。
それは当然のことです。
しかし、平時、つまり普段の業務をそれぞれの部下が行っているようなときは、
常におだやかな安定した表情で仕事をするのが、理想の上司というものです。
6.言行一致
口では立派なことを言い、部下に理性的な指導をしても、自分自身がそれを実行できないような人は、とても理想の上司とは言えないでしょう。
部下から「言っていることとやっていることが違う」と思われたのでは、尊敬されるはずがありません。
簡単な例をあげれば、部下には「時間厳守」を指導しながら、自分は平気で遅刻してくるというような上司です。
部下に時間厳守を説く前に自分が時間をきっちり守る上司、つまり誰よりも言行一致を実践できる上司こそ、部下から尊敬される存在になれるのです。
人間、「理想像そのもの」になることは難しいでしょう。
しかし、理想像の持つ特徴を知り、それを常に意識することで、理想に近づくことは十分に可能です。
参考になさってください。