人間や物ごとを正しく評価、判断することができる人のことを、
「あの人は見る目がある」と表現することがあります。
もちろんこれはほめ言葉ですが、
では、見る目がある人というのはどんな特徴を持っているのか紹介しましょう、
1.先入観を持たない
まだその人と会って間もない段階で、「あの人は○○だから」という先入観から、
その人に対する評価を決めてしまう人が少なくありません。
例えば、「あの人は○○県出身だから」とか「血液型が×型だから」というように、
ある情報からその人のことを「だから△△な人」というように決めつけてしまうわけです。
しかし、考えてみるまでもなく、同じ県の出身者がすべて同じタイプの人間というわけではありませんし、
同じ血液型でも人によって性格も能力も当然違ってきます。
対象が人間でなくても同様です。
宝飾品の値打ちについても、「あの金持ちが身に着けているのだから、高価なものにちがいない」と決めつけることがあるでしょう。
金持ちでも時には廉価なものを身に着けることもありえます。
見る目がある人は、そうした先入観にとらわれません。
表面的な情報によって評価を決めつけることがないこと、先入観を持たないで対象物を見ることができること、これが、見る目がある人の大きな特徴ということになるでしょう。
2.第一印象で決めつけない
「人は第一印象が大切」ということがよく言われます。
確かに、人に好かれたいと思ったなら、第一印象をできるだけ良くしなければなりません。
しかし、「第一印象は良かったのに、つきあってみたらひどい性格の人だった」ということもあるでしょう。
逆に、「第一印象はとっつきにくい感じだったけれど、打ち解けたら大変やさしい、人間味あふれる人だった」ということもよくあります。
つまり、第一印象というものは、往々にして間違ってしまうものです。
見る目がある人は、そのことを良く知っています。
ですから、パッと見た印象で、その人やそのものの評価を決めてしまうことはしません。
評価を早い段階で決めることはせず、より正しい評価をするために、
時間をかけることができるというのが、見る目がある人の特徴です。
3.観察力がある
では、より正確な評価をするためにはどうしたらよいのか。
それはその対象物をしっかりと観察することです。
例えば、職場に新人が入ったとしましょう。
第一印象がよくても悪くても、見る目がある人はその段階でその新人の評価を決めてしまうことはしません。
その新人の毎日の働きぶり、人との接し方、コミュニケーションの取り方、礼儀作法などなど、
仕事の場はもちろん、飲み会など、仕事を離れたシーンでもその新人のことをしっかり細かく観察します。
そうした観察をすることによって、その人の本質が見えてくるに違いありません。
その結果、その人に対する正しい評価が下せるわけです。
これは、対象物が人間以外のものであっても同じです。
例えば、古美術の鑑定士は観察眼が優れているため、その物の細部にまで目が行き届き、
結果、正しい真贋を見きわめることができると考えていいでしょう。
4.一度下した評価を変えることができる
見る目がある人は、過剰な自信を持ちません。
「自分の目はぜったいに正しい」という思い込みがないのです。
もちろん、まったく自信がないのでは、評価の下しようもないでしょう。
しかし、自信があり過ぎると、間違った評価をした時、あとで訂正することができません。
真の意味で見る目がある人は、たとえ一度あるものに対して評価をしたとしても、
あとでそれが間違いだと気づくと、評価を変えることができます。
そこには常に自分を客観的に見ることができる能力があると考えていいでしょう。
客観的な目を持っていて、自分の下した評価や判断を訂正することができるというのが、見る目がある人の特徴です。
見る目がある人について、どんな特徴があるのか、どうしてものごとを正しく評価できるのか見てきました。
この4点は、「こうした特徴を具えれば、見る目がある人になれる」という条件でもあります。