現在の状況を改善しようとしたり、より良いものを作り上げていくという観点からする前向きな話のことを、
「建設的な話」と言います。
ここでは、建設的な話ができる人に注目し、
どんな特徴があるのか見ていくことにしましょう。
1.ものごとをポジティブに捉えることができる
例えば、会社で新しい事業展開を考えているとしましょう。
その事業についての会議やミーティングをする時、
「新規事業のリスク」ばかりを考えていたのでは、前向きな話にはなりません。
誰かが、「新規事業にはこういうメリットが考えられる」という発言をしても、
それに対して、「それは成功した時のメリットであって、
必ず成功すると決まっているわけではない」というような指摘をする人は、
建設的な話ができる人とは言えません。
「こういうメリットが考えられる」という発言をする人、
プラス思考の発言をすることができる人でなければ、前向きな話し合いにはならないのです。
つまり、建設的な話ができる人には、
「ものごとをポジティブに捉えることができる」という特徴があるということになるでしょう。
2.冷静で客観的な思考ができる
ポジティブであることは、建設的な話をするための大前提ですが、
ひたすらプラス思考であるばかりでは、真の意味での建設的な話にはなりません。
先ほどの例で言えば、新規事業のメリットばかりを取り上げ、
「必ずうまくいく」という結論を得たとしても、その裏づけは何もないわけです。
「うまくいくようにするためには、どうしたらいいか」ということまで考えてこそ、
本当の意味での前向きな話し合いと言うことになるでしょう。
そのために必要なのが、客観的な視点です。
どんなリスクが想定されるかを客観的に考え、
そのリスクにはどう対処したらいいかを冷静に分析する目をもっていなけでば、建設的な話にはならないでしょう。
みんなで和気あいあい「きっとうまくいきますよ」と賛同しあっているだけでは、
良い結果を得ることはむずかしいのです。
うまくいかせるための論理的裏づけを考えられる人、
良い結果を得るための冷静で客観的な思考ができる人こそ、
本当の意味での建設的な話ができる人です。
3.相手の話をしっかり聞くことができる
ポジティブな考え方ができて、冷静で客観的な視点をもっていても、
自分の意見を主張するだけの人とは、建設的な話をすることはむずかしいでしょう。
こちらもまったく意見であれば、問題はありません。
その人の意見に賛同することで、建設的な話になるわけです。
しかし、ほぼ同じ意見でも、複数の人間が話し合えば、そこには自然に意見の違いが出てくるものでしょう。
その場合、相手の話を聞こうとしないで、自己主張ばかりする人とは、前向きな話し合いをすることはできません。
そもそも、一方的な自己主張は「話し合い」ですらありません。
「話す」と「聞く」を両方具えていてこそ、「話し合い」です。
自分の意見や考え方をはっきり述べると同時に、相手の話もしっかり聞くことができるというのが、
建設的な話ができる人の特徴ということができるでしょう。
4.意見が食い違った場合、相手に歩み寄ることができる
そのように意見が食い違った場合、お互いに相手の意見を尊重し、
相手に歩み寄ろうとしなければ、建設的な話にはなりません。
あくまでも前向きな形で、何らかの結論を生むためには、
違う意見をすり合わることによって、コンセンサスを得る必要があるでしょう。
それには、「相手に譲る」という意識をもつことが求められるのです。
お互いに相手の意見に歩み寄ることで、「落としどころ」が見つかるわけです。
つまり、意見が食い違った場合に相手に歩み寄ることができるのが、建設的な話ができる人の特徴です。
ここでは会社を例に挙げて説明しましたが、どんなシーンでも、
建設的な話ができる人は、人から信頼されるものです。
これらの特徴は、建設的な話ができる人になるための条件でもあります。
参考になさってください。