加虐心が強い人とはどのような人か

最終更新日:2017年7月28日

加虐心が強い人と接したり、会話をすると、悲しい思いをしたり、

思ってもいなかった言葉を浴びせられて落ち込むことになったりと、傷つきますよね。

加虐心が強い人は、どういった特徴を持つのでしょうか。

加虐心が強い人の特徴をご紹介します。

1.心の深くで何かに強く押さえつけられている

人はストレスを抱えていると、直接、そのストレスを与えた相手ではない相手に対しても、

加虐的な態度を取ると言われています。

家庭内などでの日常的な場面では、八つ当たりが多くの人にも見られますよね。

加虐心を強く持つ人は、強いストレスに常時さらされている場合が多くなります。

他者に対して意地悪な態度を取り続ける場合、本人は自分の中では抱えきれない、

深い悩みやトラウマを抱えていることが多く、その源は、本人でさへ忘れているような、

幼少期に受けた心理的な深い傷である場合も非常に多くあります。

こういった傷の中には、事件性を持つ傷を深く意識下に抱え込んでいるケースも稀ではありません。

本来人は誰でも、幸せに向かって歩いていく力が備わっているものです。

しかしながら、たとえ大人であっても、本人一人の力での解決が困難な何かに強く押さえつけられているという状態は、

非常につらい人生だと言えます。

2.低過ぎる自己肯定感に苛まれている

人は、幼少期のある一定の時期までに、その人の生涯に深く影響する自己肯定感や、

心理的な安定感が育つと言われており、一説では3歳、また一説では7歳とも言われ、

小さな子供にとってスキンシップなどの直接的なコミュニケーションが大事だと言われるのもこのためです。

母親が、生まれたばかりの赤ん坊を出産後すぐに胸に抱いてやることが、

その人の生涯の心の安定に深く関わっているという報告もあります。

しかし、暴力的な家庭で育った場合だけでなく、度が過ぎた厳格な家庭で育った場合や、

ひどい放任の中での養育環境であった場合には、この自己肯定感や心の安定は、

本人にとって、得たくても得られない感覚になってしまいます。

加虐は、他者に向けてだけ発せられるわけではなく、むしろ本人が最も責め立て、

いじめている標的は、本人自身である場合がほとんどです。

加虐的な傾向の強い人は、他者と同時に、実は自分をいじめているのです。

3.嫌われたくないという本心を持っている

加虐心を持つ人には、人との距離の取り方が非常に不得手な人が多くみられます。

ひどい意地悪を言いながら、相手が離れていかないことを確認しなければ不安で仕方がない程、

愛情が満たされない人生を歩んできているというケースもあります。

好きな相手や、本当は穏やかにもっと別の話を山ほどしたい相手であればあるほど、

嫌味を言ったり、その人が深く傷つく態度を繰り返したりしてしまいがちです。

本人にとってどうでもよく、関心がない相手に対しては、

加虐の態度がほとんど顔を見せないケースは多くみられるのです。

誰でも人は、できれば人には嫌われたくないと望むものですが、

嫌われるのが怖いという子供のような本心を握りしめているのも、

加虐心が強い人々に多く共通した願いです。

4.表情に硬さが見られることが多い

以上のような複雑な特性を備えている場合が多いため、

加虐心の強い傾向を持っている人の表情や瞳には、どこかに暗さや硬さを持った雰囲気が漂いがちです。

しかし、本人はナイーブな気質であることがほとんどです。

その表情をよく見ていると、笑顔の中にまぶしい輝きがきらめきます。

加虐の様子があまりにも度を越え、本人があまりにも生きづらそうだったり、

あるいは、周囲の人が日常生活を送ることが困難であるという場合には、

心のクリニックや医療機関を利用することも必要です。

しかし、それほどでもない場合には、日常的に褒めてあげ、

また、ありのままの姿を認めていることを伝えるように心掛けることが効果的です。

周囲の根気強いこういったコミュニケーションの態度は、本人の中にあり続ける深い孤独感と、

誰からも理解されていないという不安感や、

自信が抱きづらいことからくる劣等感を払しょくする確実な一助になります。

このように見てくると、加虐心が強い人は、自分の中に大きな苦しみを常に抱えている生きづらい人だといえそうです。

人に対して攻撃的になることで、さらに孤立も深めてしまいます。

さりげなく繰り返し褒めたり、認めているという態度を積極的に表現して伝えることで、

加虐の態度は少しずつ和らぐ可能性は大いにあります。