心の中に小さくない不満や不平があって、投げやりな態度をとることを「不貞腐れる」と言います。
ここでは、そのような態度や表情を見せる人について、主に心理面に注目し、
どんな特徴があるのか紹介することにしましょう。
1.やる気を失っている
話をわかりやすくするために、職場で不貞腐れる人の例をあげましょう。
例えば、一生懸命に資料作りをし、自分ではかなり良くできたと思って、上司に見せたとします。
すると上司は、その資料をほめるどころか、小さな欠点ばかりをあげつらい、「作り直せ」と指示しました。
がんばって資料を作ったその社員は、そんな上司の反応にすっかりやる気を失ってしまうということがあるでしょう。
自分ではよくできたと思い、かなりがんばって作っただけに、仕事の意欲をまったく失ってしまうわけです。
子どもでも、勉強をしようと思っていた時に、親から「勉強しなさい」と言われて不貞腐れることがよくあります。
このケースでも、自分でやろうと思っていたことを親から命令されて、勉強する意欲が完全になくなってしまったわけです。
つまり、不貞腐れる人には、「やる気を失っている」という共通した心理があるということになるでしょう。
2.不満を相手にアピールしている
さらに先ほどの例で説明すると、上司に資料を作り直せと言われた社員はすっかりやる気を失って、
仕事をしたくなくなったわけです。
その際、その社員が取る選択肢は2つあります。
「やる気を失いながらも、資料を作り直す」か、「上司から指示された仕事をやろうとしないで、反抗的な態度をとる」かです。
後者のケースでは、上司が見ているにも関わらず、資料の作り直しをしないということもあるでしょう。
上司は間違いなく「なんで、自分が命じたとおりにしないのだ」と思うに違いありません。
社員は、それを承知で、仕事をしようとしないのです。
そこには、「自分はあなたのせいで、すっかり労働意欲をそがれてしまいましたよ」ということを、
あえて上司にアピールしようという心理が働いていると考えていいでしょう。
親から「勉強しろ」と言われて不貞腐れ、勉強しようとしない子どもも同じです。
「不貞腐れて見せる」という言い回しをすることがあります。
不貞腐れる人には、わざとそうした態度をとって、自分の気持ちを相手にアピールしようという心理があります。
3.周囲の人にかまってほしい
そのように、不貞腐れる原因になった人に対して、不平や不満をアピールするのではなく、
第三者に自分の気持ちをアピールするというケースもあります。
上司の言葉によって傷つき、やる気を失った社員が、不貞腐れた態度をとることによって、
自分の気持ちを同僚に伝えようとするケースが、それに当たります。
そこには、「自分は上司のせいですっかりやる気を失ってしまった。
このかわいそうな自分の気持ちをわかってほしい」と同僚に訴えたいという心理があるわけです。
同僚になぐさめてもらいたい、同情してもらいたいという意識があると考えていいでしょう。
つまり、第三者にかまってほしいと思っているのが、不貞腐れる人、不貞腐れて見せる人の一つの特徴です。
4.不平不満にばかり心囚われている
不貞腐れている人の心は、一つのことに支配されています。
それはつまり、「不平不満を抱く原因になったこと」です。
同じ例で説明すれば、上司の言葉にやる気を失った社員は、「上司から資料を貶されたこと」で頭の中がいっぱいです。
同じような対応を上司からされても、「仕事なのだから」と気分を変えて、資料の作り直しを始める人もいるでしょう。
この場合は、上司から貶されたことが頭にありながらも、前向きに仕事にとりくむために、自分で気分を変えることができたわけです。
不貞腐れる人は違います。
上司に言われて傷ついたということで頭も心も支配されいるため、前向きな気持ちにはなれません。
自分の中にある不平や不満にばかり心囚われてしまっているというのが、
不貞腐れる人の心理的特徴の一つということになるでしょう。
不貞腐れる人にはどんな心理的特徴があるのか、主なものを4種類紹介しました。
身近にいる不貞腐れる人について、その心理を知るための参考になさってください。