同じことをしても、要領よくこなすことができる人もいれば、それができない人もいます。
ここでは、いわゆる「要領が悪い人」に焦点を当てて、共通する特徴をご紹介します。
1.ゴールを考えないで、とりあえず始めてしまう
1つの仕事をするとき、そのゴールをしっかり把握してからスタートしたほうが、要領よく作業を進めていくことができます。
例えば、これまで作ったことのない料理に挑戦するとしましょう。
レシピ本を見ながら作成する場合、要領のいい人は、レシピを一通り読んで、最後の仕上がりをしっかり把握します。
「こういう形の料理がゴール」と認識するわけです。
一方、要領の悪い人は、そのような全体像を見ることをしないで、いきなりレシピの「1」に取りかかってしまいます。
そして、進めながら「あ、あれが必要だった」とか「一度、フライパンから皿に移すのか。
適当なお皿はどこにあったかな」などと、作業が滞ることになってしまいます。
最終的に料理がうまく完成すればそれでいいわけで、100%レシピ通りにしなければいけないということはありません。
それがわかっているのが要領のいい人、それをわかっていないため、効率よく作業を進められないのが、要領の悪い人ということになるでしょう。
2.優先順位を考えないで目の前のものから処理する
優先順位を考えないで、目の前にあるものから取り組むというのも、要領の悪い人に共通する困った特徴と言っていいでしょう。
例えば、やらなければならない仕事が3つあるとします。
Aは初めて経験する、時間がどれほどかかるかわからない仕事、Bは内容は簡単だけど時間のかかる仕事、
Cはむずかしさは中程度で、時間のかからない仕事だとしましょう。
要領のいい人なら、おそらく「CBA」の順番で仕事をこなしていくでしょう。
処理しやすいものを先に完成させてから、むずかしい仕事にじっくり取り組むわけです。
しかし、要領の悪い人は、目の前に置かれた「ABC」の順番で進めてしまうため、すべての仕事の完成までに時間がかかってしまいます。
3.細かいところにこだわってしまう
今度は掃除に例を取って説明しましょう。
年末、大掃除を1日ですまさなければならなくなったとしましょう。
時間がかなり限定されているのですから、ある程度おおざっぱになってしまうことはやむをえません。
ですから、要領のいい人は、とにかく1日で終わらせることを最優先に、「70点ぐらいの仕上がりでOK」と意識して作業をしていきます。
ところが、要領の悪い人は、細かい汚れにばかり目が行ってしまい、風呂場のカビ汚れを本格的に清掃、
そこが100点に仕上がってから、次の網戸掃除に取りかかる、というやり方をしてしまいます。
そのため、「一部はピカピカになったけれど、手つかずの部屋も残っているし、収納の整理にも手が回らなかった」というようなことになりかねません。
本人にとっても、大いに不満の残る結果になってしまいます。
4.相手によって対応を変えることをしない
対人関係でも要領がいい悪いの差が出ます。
相手によって対応を変えることができるのが要領のいい人、できないのが悪い人ということになります。
例えば、職場に先輩が2人いて、それぞれから仕事を頼まれたとしましょう。
A先輩は「とにかくスピード重視というタイプ」、B先輩は「スピードよりも精度を重視するタイプ」とします。
要領のいい人は、その先輩のタイプに応じて、仕事の仕方、対応を変えることができます。
しかし、要領の悪い人は、自分のいつものやり方に従って、2人の先輩から命じられた仕事を同じように処理します。
自分がスピード重視タイプだったら、A先輩からはほめられても、B先輩からの評価は低くなってしまうに違いありません。
これが要領の悪い人の特徴です。
「要領の悪い人」について、それぞれに具体例を交えながら、4つの主な特徴を紹介してきました。
人から「要領が悪い」と指摘された方、あるいはそういう自覚のある方は、自己改善のための参考になさってはいかがでしょうか。