「あの人は表現力が豊かだね」と評される人がいます。
もちろんそれはプラスの評価であり、表現力が豊かなことは人間にとって長所に違いありません。
ですから、「自分もそうなりたい」と思っている人も少なくないでしょう。
では、表現力豊かな人にはどんな特徴があるのでしょうか。
1.表情が生き生きしていて、変化に富んでいる
「表現力が豊かな人」と聞いて、俳優をイメージする人もいるでしょう。
確かに、俳優は表現力の豊かさを使って、仕事をしているわけです。
では、俳優の表現力の基本になっているのは何か。
それは、「表情」です。
人間はさまざまな方法を使って、自分の感情を表現しますが、もっとも重要なツールが「顔の表情」です。
顔の表情が生き生きしていること、そして変化に富んでいることが、表現力豊かな人の特徴と言っていいでしょう。
自分の感情をストレートに、より効果的に表現するために、上手に顔の表情を使うことができます。
2.ボキャブラリーが豊富
「表現力豊かな人」は、言い換えると「自分のプレゼンテーションが上手な人」ということになるでしょう。
自分を上手にプレゼンするために欠かせない要素が、「言葉」です。
顔の表情だけでも感情を相手に伝えることはできます。
しかし、言葉もそれに負けないぐらい重要なツールと言っていいでしょう。
これは、テレビ番組の「食レポ」を思い出してみると理解しやすいはずです。
名店の料理を食べて、その感想を視聴者に伝えるのが、レポーター役の仕事です。
その際、ただ「おいしいですね」と言うだけでは、その料理の味やおいしさは伝わりません。
「舌にまとわりついてくるような、濃厚なドミグラスソースの風味が最高です」とか、
「あっさりしていながら、食べた後にしみじみとした出汁の余韻が残ります」というように、
さまざまな言葉を使って味を伝えるのが、優れたレポーターと言っていいでしょう。
つまり、表現力豊かな人には、ボキャブラリーが豊富で、時に応じて、
多くの言葉を使い分けることができるという特徴があります。
3.ボディランゲージを効果的に使える
表情や言葉以外でも、人間は自分をプレゼンすることができます。
そのツールは「体」。
表現力豊かな人は、身振り手振りを上手に加えながら話をすることができます。
手の表情一つで、話を聞く側の印象はかなり変わってくるものです。
表現力の豊かな人は、そのことを良く知っていますから、効果的なにボディランゲージを駆使することができます。
ただし、これは、時と場合によって違ってきます。
話の内容やシーンによっては、ボディランゲージがむしろ邪魔になることも少なくありません。
そこを良くわきまえているのが、表現力の豊かな人です。
4.鋭く繊細な感性を持っている
豊かな表現をするためには、対象物を的確にとらえる感性も必要になってきます。
先ほどの「食レポ」の例を引けば、そもそもその料理の味を的確にキャッチできる「舌」がなければ、
表現のしようがありません。
味覚音痴で、その料理がどんな味をしているのか分からない人に、上手な食レポをすることは不可能です。
味覚だけでなく、五感すべてに関して、鋭い感受性を持っていることが、
豊かな表現をするための前提と言っていいでしょう。
つまり、鋭く繊細な感性を持っていて、ものごとを的確にキャッチすることができるのが、
表現力の豊かな人の特徴の一つです。
5.テレずに表現できる
日本人は古来より「おくゆかしさ」を美徳としてきたために、今でも「控えめにしよう」と意識する人がたくさんいます。
また、人前で自分をアピールすることにテレてしまう人も少なくありません。
そうした意識が妨げになって、表現力に乏しくなるケースが多いのです。
控えめになろうとしたり、テレてしまったのでは、とても「豊かな表現」にはならないでしょう。
ですから、そうしたよけいな意識を持つことなく、自分の思うように自分を表現できるのが、
表現力の豊かな人の特徴と言うことになるでしょう。
ここでは、表現力豊かな人に共通する特徴を、5点紹介してきました。
表現力豊かというのは人間の才能の一つではありますが、俳優や食レポのレポーターが訓練や努力によって、
その能力を高められるように、誰でも意識し、努力すれば、豊かな表現力を手にすることは可能です。